SUVのデザインで驚かされたのは、個人的にはかつてのいすゞ・ビークロスが一番、つぎが初代ムラーノです。ビークロスのコンセプトカー「ヴィークロス」は、現日産自動車の中村史郎氏で手がけたことで知られています。氏の著書『ニホンのクルマのカタチ』(毎日新聞社)でも触れられていますので、気になる方はご覧下さい。
今回の東京モーターショーで、一番気になったのはすでにワールドプレミア、あちこちで海外試乗記も出ているランドローバーのレンジローバー・イヴォークです。コンパクトプレミアムSUVといいながら全幅は1.9mもありますから、フリーランダー2のように都心でもストレスなく使えるサイズとは言いがたい。でも、悪路での見切りの良さを最優先し、ボディ四隅を四角く切り落としたデザインが身上だったランドローバーが、こんなクーペ風のSUVを出すとは驚きです。しかもワイド&ローのショーモデルのまま市販化したかのような英断には拍手を送りたいものです。
気になる価格は、イヴォークが450万〜、イヴォーク・クーペが470万円〜と意外と控えめ。BMWのX1やX3、アウディQ3やQ5などにとっては驚異の存在になるかもしれません。
(塚田勝弘)