【オートカラーアウォード2018】ホンダN-VANの「ガーデングリーン・メタリック」がグランプリ。 トヨタのJPN TAXI「コイアイ」が審査委員特別賞を獲得

毎年、優れたクルマのカラーデザインが顕彰される「オートカラーアウォード2018」が12月7日・8日に開催され、「グランプリ」と「審査委員特別賞」が選出されました。

グランプリに輝いたのは、ホンダの「N-VAN(エヌバン)」で、対象となるカラーはエクステリアが「ガーデングリーン・メタリック」、インテリアはブラックとなっています。

「グランプリ」の受賞理由は、

これからのモビリティは個人が愛着を持って所有するものと、他と「シェア」して共有するものとの二つの方向がある。今回N-VANが展開したグリーンは、まさに後者で、多様なシチュエーション、また性別、年齢などに関係なく幅広いユーザーにマッチする、新しい「ニュートラルカラー」と言える。
通常ニュートラルといえば、白やシルバーなどの無彩色系で表現されることがほとんどである。無彩色系のみでの表現は、主張や個性の強さは弱まる一方で、無味乾燥な印象がある。受賞したグリーン系は、温かみと人間みを感じさせるニュートラルな色を探求した結果、シェアの時代に相応しい色を実現している。
また、この色は、どの場所にあっても、その場に馴染むだけでなく、展開する環境によって全く違った表情を見せることのできるのも魅力である。クルマに興味のない人にも、充分に訴える力がある。

としています。素人的には、黄色のプレミアムイエロー・パールⅡが印象的で、売れ筋はホワイト、ブラック、シルバーなどが定番でしょう。確かにグランプリに輝いた「ガーデングリーン・メタリック」も魅力的。でも、選ぶには少しファッションを含めたセンスも要求されそうな気がします。

グランプリを獲得したホンダは、軽バンと乗用車のCMFデザインに「差」ってあるの? と疑問を投げかけながら、人とクルマの関係をとことんみつめて、作り上げたCMF(※COLOR、MATERIAL、FINISHING)としています。

インテリアは、ユーザーの使い勝手から導き出したCMFデザインで、
「積む・運ぶ」にこだわった、気持ちよく使い倒せるインテリアとしています。
さらに、エクステリアは、人(STYLE)を主軸に考えたエクステリアカラーで、様々なSTYLEやシーンに自然となじみ、幅広いユーザーに 体験価値を提供できるナチュラルカラーとして提案。

もうひとつの「審査委員特別賞」はトヨタ自動車の「JPN TAXI(ジャパン タクシー)」が受賞。

授賞理由は、

エクステリアの色は日本古来よりなじみの深い藍染めの色である。その中でも「コイアイ(濃藍)」は手間と時間をかけてつくることで得られる、深い味わいのある色で、日本の文化を象徴する色のひとつと言える。タクシーは公共の乗り物であり、日本の景観に大きな影響を与える色であるにもかかわらず、ボディカラーはタクシー会社に任されている。
ロンドンなど海外では、公共性の強いタクシーのデザインを統一させる国もある。今後ますます海外からの観光客も増えると予測されることから、国やタクシー会社を巻き込んで、日本らしさを表現するタクシーのデザインを広めた。その活動を高く評価し、応援する。

としています。

同賞を獲得したトヨタは、「日本の風景を変える、伝統色、おもてなしの心を込めた空間。」というコンセプトを掲げ、JPN TAXIは、タクシー事業者とともに、これからの日本や社会にどんなタクシーがふさわしいかを議論しながら作り上げたタクシー専用車。とくに「コイアイ」は、日本の様々な景観・シチュエーションにあてはめながら、日本の風景を変え、顔となるような色はどんな色かを考えたとしています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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