さる5月19日・20日、今年で3年目となるD1チャイナシリーズが北京で開幕。
私はD1GPトップドライバー日比野哲也選手のスポッターという重要な役割を任されました。
去年取材で訪れた北京開幕に比べ、新規参入の中国メーカーがたくさん増えており、さながら日本のGazoo86/BRZレースでのタイヤ戦争のようでした。中国チームのピットはどこも立派で、我こそは!と、目立ったもん勝ちを争うよう(笑)。
中国選手のレベルも去年に比べて確実に上がっている!固定観念がなく、貪欲に吸収するパワーはやっぱりすごいなあ、見習わなきゃと思いました。
日比野選手は今年もBMWで参戦。去年は左ハンドルで単走優勝を3度獲得し、今年は追走で勝ち上がることに確実にするために右ハンドルに仕様変更しました。
練習走行から100.08点と好調!
チャイナシリーズ開幕ではシードはないので、全員予選から戦います。予選では川畑真人選手に次いで2位につけ、追走トーナメントのラダーは強豪選手らと別グループになり、十分に優勝を狙えるチャンス到来!追走では日本人選手はもちろん、海外勢も日比野選手を警戒。
ベスト16ではSCに乗る劉選手が勢って後ろからBMWに当ててしまいスピンしましたが、相手のミスとなり勝ち上がりました。
ベスト8戦は安定感のある86に乗るMatt Field選手。日比野選手先行の走りは9ランクでしたがMatt選手は10ランク。1ランクのアドバンテージを取られましたが、怒濤の後追いで1.5ランク取り返して日比野選手が勝ちました!この逆転劇は、本大会で一番会場が湧いたバトルだったと言っていいでしょう。
準決勝ではS15に乗る日本の内海彰乃選手。インフィールド(3〜4セクター)がとても速く、スポッターの私から見ても今の日比野選手のマシン状態ではインフィールドでの勝負は難しいと思い、私たちは降り出し1コーナーから2コーナーの高速区間で勝負する作戦でいきました。この作戦は功を奏し、先行で100点を獲得!
しかし後追いでドライブシャフトが折れてしまい、時間内の修理が間に合わず、無念のリタイヤという何とも悔しい終わり方でした。結果は総合4位。今回は選手ではなく、スポッターとして参加しましたが、スポッターの責任感や冷静に相手を見極め作戦を立てることなど、得るものはたくさんありました。
次は6月23日,24日上海です。今回見つかったチームの課題を出来るだけクリアし、いい準備をして、チーム日比野は優勝を目指します!
(塚本奈々美・レーシングドライバー)