自動車メーカーはもっと物言う企業になれ! そのために産業界から議員を国会に送り込め【ココがおかしい日本のクルマ&交通事情】

日本における自動車関連産業は非常に重要な存在です。日本自動車工業会がまとめたデータ(資料:総務省「労働力調査(平成28年平均)」、経済産業省「平成26年工業統計表」「平成26年延長産業連関表」等)によれば、全就業人口6440万人のうち、534万人(8.3%)が自動車関連産業に従事していると言います。また、2016年の輸出額で見ると総輸出額70兆357億円中16.2%が自動車です。2ケタ%を輸出しているのは自動車だけです。にも関わらず、日本の自動車はひどい仕打ちを受けています。

税金はもとより、理不尽な取り締まりによって違反金だの減点だのを強いられます。なにかといえばクルマを“悪者”に仕立てます。そんな状態を続けたら、クルマに乗るのがイヤになってしまうでしょう。若者のクルマ離れ……なんて表現ありましたが、じつはそんなにクルマから離れようとなどしていなくて、税金や保険が高い、理不尽に取り締まり対象になるなどが大きな壁となっているのです。乗りたくても乗れない……これが実情です。

自動車はいつも不利な条件を押しつけられています。こんなに日本の経済界に貢献しているのに……です。この事態を打開するには自動車産業界から国会に議員を送り込むのが一番だと思います。自動車労組からではなく、自動車産業界、つまり自工会から議員を出して自動車産業界のために働いてもらうのです。自らの出身企業のためではなく、あくまでも自動車産業界全体のために働く議員が必要だと私は考えます。

自動車産業界に近い大学関係者や役人ではだめです、本陣から議員を出してほしいです。ましてやジャーナリストやメディアの出身者はいけません。ジャーナリストやメディアはその議員をはじめとして、国会や行政を監視するのが役目です。

(文・諸星陽一)

この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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