BMW Team Studieの次なる挑戦は「ブランパンGTシリーズ・アジア」。BMW M4 GT4でフル参戦

2017年までSUPER GTへ参戦していたBMW Team Studieが、3月12日に東京・お台場のBMW GROUP Tokyo Bayで、2018年ブランパンGTシリーズ・アジアに向けた参戦体制発表会を開催しました。

昨シーズンまでのSUPER GTから舞台をブランパンGTシリーズ・アジアへと移したBMW Team Studie。日本も含め、中国、タイ、マレーシアを転戦する全6戦。日本では鈴鹿と富士でのレースが予定されています。

ブランパンGTシリーズ・アジアではFIA-GT3とFIA-GT4の2クラスのマシンが混走しますが、BMW Team Studieが選んだのはGT4クラス。これについてBMW Team Studieの鈴木代表は、

「ヨーロッパではGT3からGT4にカテゴリの中心が移りつつあって、今後のメジャープレイヤーはGT4になっていくことでしょう。そのGT4カテゴリーにアジア一の自動車先進国である我が日本が、どこよりも早くアジアに向けて本格参入したい、という点。もうひとつは、BMWがこのGT4カテゴリーの盛り上がりに合わせて新しいM4 GT4というレーシングカーを作ってきたという点です。M4というクルマはBMWにとっても、Studieにとっても、Mモデルの中枢にあたる最重要モデルなのですとコメント。

また、これまで参戦してきたSUPER GTとブランパンGTシリーズ・アジアの違いについては、

「日本での知名度は低いかもしれませんが、アジアの各サーキットの動員はSUPER GT並みかそれ以上と言ってもいいでしょう。そしてシリーズ全てのレースをネット配信の生中継とすることで、世界的なビュワーは数千万人となります。ここだけを切り取っても参戦にとっての動機として充分な価値のあるシリーズといえます」

アジアに進出することについて、何か不安のようなものは無いのでしょうか。その点については

「シリーズとしては全く初めてのシリーズとマシンカテゴリなのでやってみないとわからない部分はありますが、サーキットとしては日本の2戦とタイのブリーラム、マレーシアのセパンについてはすでにSUPER GTで経験済みなのでアウェイ感は全くありません。むしろ楽しんでレースが出来ると思っています。中国の2戦では未知数なところが多いとは思いますが、ブレーキサプライヤーのDEXCELさんは中国で大成長していますし、82号車の浦田健選手も中国での経験が豊富なので不安な部分は無いと言ってもいいでしょう」

 

ドライバーについても大きく体制が変更されています。GT4カテゴリについてはプロドライバーの起用は出来ないということで、現在は第一戦から退いているか、純粋なアマチュアドライバーからの起用となります。

2台エントリーのうち81号車は全日本GT選手権やスーパー耐久への参戦経験があるベテランドライバーの木下隆之さんと砂子塾長こと砂子智彦さん。砂子さんのエントリー名は通称どおり「塾長」となっているようです。

82号車は台湾からイーヴァン・チンさん、そして中国でのレース経験が豊富といわれる浦田健さんがタッグを組みます。

マシンについてはGT3以上に厳密な管理の下、BMWなどメーカーからのデリバリ状態から一切の手を加えてはならないとのこと。出来ることはサスセッティングとリアスポイラーの調整程度。だからこそM4 GT4の素性が重要なのです、と鈴木代表は熱く語ります。

そして、この参戦発表の場で国内初公開となったM4 CS。460馬力の高性能クーペはM4 GT4とイメージをダブらせます。

動力性能もさることながら、カーボンルーフやスポイラー類のカーボンがまたカッコイイ。

そんな市販モデルも含めたM4の頂点に立つBMW Team StudieのM4 GT4。今シーズンの壮大なチャレンジに注目です。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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