メルセデス・ベンツ Sクラスの最上級モデルという位置づけの「S 450」、「S 450 エクスクルーシブ」、「S 450 ロング」が3月1日に発表され、同日から予約受付が開始されています。なお、納車は今年4月からの予定(S 450 ロングは今年夏頃)。
S 450の見どころは、メルセデス最新技術が満載されている点で、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を新たに搭載。こちらはエンジンとトランスミッションの間に電気モーターを配することで、オルタネーターとスターターの役割を担うもの。日本勢ではスズキもモーター機能付発電機としてISGを多くの車種に採用しています。
S 450 のISG(モーター)は、16Kw/250Nmを発生し、回生ブレーキによる発電により、約1kWhのリチウムイオンバッテリーに充電も可能。さらに、48Vにまで電気を高め、エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで効率性の高さに加えて、力強い加速を実現するとしています。
48Vまで高められた電気システムにより、動力補助に十分な出力を得ることができる一方、60Vを下回る電圧としたことで、専用の乗員保護機構は不要となります。
従来の「M276」に変わって登場した「M256」最新エンジンもトピックス。エンジン単体で最高出力367PS(270kW)、最大トルク500Nmを発生。こちらはツインスクロールターボを搭載した3.0Lの直列6気筒直噴ターボで、エンジンの始動も担い、回生も行うISG、48Vシステムが組み合わされています。
さらに、メルセデスにとって1997年以来、約20年ぶりの直列6気筒エンジンの採用となり、電化を前提にして設計された初めてのパワーユニットになります。
直列エンジンの採用により、エンジン左右のスペースに補器類を配置することが可能になったことに加えて、従来はエンジン回転を動力源としていたエアコンディショナー、ウォーターポンプなども電動化されたため、エンジン前部のベルト駆動装置が不要となり、よりコンパクト化が可能に。
また、エンジン近接型の触媒を採用し、より効率的な排出ガス処理を可能。さらに、12mmオフセットされたクランクシャフトや、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングする「NANOSLIDE(ナノスライド)」摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスを低減したとしています。
過給器は排気によるターボチャージャー効果が得られにくい低回転域で過給を担う電動スーパーチャージャーを搭載することにより、ターボラグを解消。さらに、電動スーパーチャージャーと「ISG」による動力補助および排気ターボチャージャーとの組み合わせで、あらゆる回転域で俊敏なエンジンレスポンスを実現したとしています。
価格はS 450が11,470,000円、S 450 エクスクルーシブが13,630,000円、S 450 ロングが14,730,000円です。価格はすべてISG搭載モデルになります。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、メルセデス・ベンツ)