クルマの電動化や自動運転の高度化、「つながるクルマ」といった分野の重要度が増しています。自動車メーカーや大手サプライヤーも限られた経営資源をどう割り振っていくかは従来よりも重要度が増しそうです。
7月31日、アイシン精機は新たな実験棟「Vラボ(V-lab)」を愛知県の刈谷本社地区に開設、竣工式を実施しました。
「Vラボ(V-lab)」の頭文字である「V」は、設計の正しさを検証するための「Verification(実証・立証)」、有効性・価値を検証するための「Validation(検証・確認)」、そして「Virtual Company」の頭文字をとったものだそうです。
同社の国内拠点は、刈谷本社地区に設計開発拠点を構えているほか、総合試験場としての藤岡試験場(愛知県豊田市)と豊頃試験場(北海道中川郡)、電子システム開発を担う九州開発センター(北九州市)、人工知能の基盤開発などを担う台場開発センター(東京都)があります。
新たに開設された実験棟「Vラボ」では、従来の部品単体での開発だけではなく、車両レベルでのより大きなシステム開発へと仕事のやり方を変えていくことを目指し、同施設を次世代開発ワーキングの戦略特区として活用。「ゼロエミッション」、「自動運転」、「コネクテッド」などの次世代成長領域の新商品、新技術開発を推進していくそうです。
また「Vラボ」では、世界の車両、製品を徹底的にベンチマーク。商品に結びつくアイデアを実現するため、最新の計測・解析機器や造形装置が導入された「アイデア発掘フロア」をはじめ、最新のモデルベース開発手法により最適値をいち早く見つけ出し機能を作り込むことが可能な「機能・性能試験フロア」、実車搭載状態での製品のうれしさ検証や、温湿度環境を再現できる「実車確認フロア」から構成されているそう。
さらに、今後はすでに構内に開設されている「試走路」とあわせて完成車メーカーへの提案力を高め、さらに新商品の開発を加速していくと表明しています。
(塚田勝弘)