ジェイテクトの社内技能検定が、タイ政府認定の国家技能検定に

日本の自動車部品大手 ジェイテクトは、同社のタイ国内自動車部品生産拠点JTEKT AUTOMOTIVE (THAILAND) CO., LTD.(JATH)で自前で行っていた社内技能検定の内容と実績が現地政府に評価され、2017年よりタイ政府公認の国家技能評価システムとして運用されることになったと発表しました。

JATHがタイの拠点で社内技能検定を行っていたのは、タイ国内には国家認定の技能検定がなかったという事情があります。JATHではタイでも日本と同等の製品品質を目指すために、作業員の技能検定が欠かせないと判断し、2006年より自前で社内制度として旋盤技能、保全技能、検査技能の研修と検定を行ってきました。

その後、JATHの社内検定制度の取り組みは、タイ国内の他社サプライヤーにも広がり、現在までに、のべ2400名にのぼる参加実績が積上げられています。

今回、JATHの社内検定制度がタイ政府に認められ、タイ労働技能開発局(DSD: Department of Skill Development)と中央職業能力開発協会(JAVADA:Japan Vocational Ability Development Association)とがタイ国内の技能者レベル向上を目的に推進する、国家レベルの技能評価システム普及促進事業に取り込まれることになったということです。

2017年1月から同技能評価システムの講習およびトライアルが実施され、JATHはその講師として参画しています。

タイはASEANにおける自動車生産の中心地で、同地でジェイテクトの日本流の社内技能検定が認められて国家レベルの技能評価システムになったことで、現地で生産される自動車の品質向上につながることに期待が集まります。

(山内 博・画像:ジェイテクト)