デンソーは、米国カーネギーメロン大学ワイタカー記念全学教授 金出 武雄(かなで たけお)氏と技術顧問契約を締結したと発表しました。
最近、自動車部品業界では、安全分野特に自動運転につながる技術開発が盛んになっています。デンソーは、人工知能、コンピュータービジョン、ロボット工学の世界的権威である金出教授と技術顧問契約を締結し、自動運転関連の画像認識、機械学習分野の技術開発を加速させる狙いがあるようです。
金出教授は、京都大学助教授を経て、1990年からカーネギーメロン大学ロボット研究所所長を務める一方、日本では2001年から産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター長を兼務し、現在は特別フェローに就任するなど、日米を通じて活躍されています。
金出教授とデンソーとのつながりは古く、たとえば2003年のデンソーテクニカルレビューに金出教授が米国での研究を紹介する「大きな研究、面白い研究」と題した論文を寄稿しています。
この論文で金出教授は、「アイ・ビジョン」という三次元ビジョンシステムの開発を例に米国での研究を紹介しています。このアイ・ビジョンとは、たとえばフットボール場の周囲に30台以上のロボットカメラを配置して、グラウンドでのプレーを、その周りをぐるっと回って再生してみせることができるシステムです。
このように以前から関係が深い金出教授に、①画像認識、機械学習分野の技術指導やアドバイス、②デンソー主催の講演・セミナーでの講師を依頼することを通じて、自動運転関連の画像認識、機械学習分野での技術開発を加速することを期待しているようです。
人工知能、コンピュータービジョン、ロボット工学の世界的権威である金出教授との協力関係を得たデンソーが自動運転分野で、今後どのような成果を見せてくれるかが楽しみです。
(山内 博・画像:デンソー)