最近は各地で蒸気機関車が復活して、ちょっとしたブームになっていますが、メカ好きの蒸気機関車マニアにはちょっとした不満があったと思います。というのも、書店で蒸気機関車関連の書籍を探しても、写真集みたいなものは多いのですが、メカニズムをじっくり(一般読者向けに)解説する本がほぼないに等しかったからです。そう、先月までは。
正確にいえば、以前はありました。グランプリ出版から1998年に出た「蒸気機関車メカニズム図鑑」がそうです。ところがこれが品切れになって久しく、重版もされていませんでした。しかし、蒸気機関車ファンからの人気は高かったようで、ネットでは中古本にプレミア価格がついて売られていたほどでした。
その事情を出版社もわかっていたようで、ついに2011年6月、新装版となってふたたび発売されたのです。これでまた定価で入手できるようになりました。
そして、この本の内容がまた濃密! 価格は3000円+税と、けっして安くはないのですが、ボイラー、シリンダーはもとより、クロスヘッドに加減リンク、速度計にいたるまで、蒸気機関車のすべての部品を解説するくらいの勢いで、非常にわかりやすい図解と文章によって、あの鉄のカタマリがひもとかれていきます。もちろんエレクトロニクスがない時代ですから、すべてが機械! メカ好きにはたまりません。
現代の日本において、唯一無二ともいえる本格的な蒸気機関車のメカニズム解説本。叙情派とは一線を画すメカ派の蒸気機関車ファンにおススメの一冊です。
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