1996年に創立されたPolestar(ポールスター)は、ボルボ850、S40、S60、C30などでBTCCやWTCCなどのレースに参戦するボルボ・グループのオフィシャルレースパートナー。私も初めてボルボ850がサーキットで走るシーンを見たときは衝撃を受けました。
世界デビューを果たしたボルボS60/V60 Polestarは、エンジンからシャーシ、ブレーキ、空力パーツまで専用設計されたスペシャルモデル。ボルボには「Rデザイン」シリーズもありますが、サーキットを舞台とするポールスター仕様ですから、よりレーシーなチューニングになっています。
エンジンは直列6気筒ターボの「T6エンジン」に、新しいツインスクロールターボとインタークーラーを装着。ベースの「S60 T6 AWD」でも304ps/5600rpm、440Nm/2100-4200rpmと動力性能にはまったく不満はありませんが、350ps/5700rpm、500Nm/2800rpmと大幅に出力、トルクともに高められています。
組み合わされる6速ATはパドルシフト付で、ハルデックス製AWDシステムもポールスターの手が入り、0-100km/h加速は4.9秒、最高速は250km/hでリミッターが作動します。
ブレーキも強化されており、フロントに371mmのベンチレーテッドディスクとブレンボ製6ピストン・キャリパーを装着。
シャーシは「S60 R-DESIGN」のスポーツサスペンションよりもスプリングレートを80%高め、特注のオーリンズ製ショックアブソーバー、20インチのポールスター専用アルミホイール、245/35R20タイヤを装備。
新しいフロントスポイラーがボディ下側の空気の流れを最適化し、新意匠のリヤスポイラーやディフュザーによりダウンフォースを増加させるなど、エアロダイナミクス性能も見直されています。
インテリアもドライバーのサポート性とコントロール性を向上するため、ステアリング、シートなどのデザインや素材だけでなく、色までも見直すという力の入れようです。
日本での価格や発売時期などの詳細は今後また発表されるそうですが、2014年6月からスウェーデンをはじめ、日本、アメリカ、イギリス、中国などの各市場にデリバリーされるとのこと。
「Rデザイン」でもスポーティな内・外装と走りを存分に楽しめますが、「ポールスター」の発売で、メルセデスの「AMG」やBMWの「M」、アウディの「S」モデルなどと同様にモンスターブランドの称号を手にすることになります。
(塚田勝弘)