以前に消費税が10%となった場合に「自動車取得税」(5%)が廃止される一方で、地方税収の減少を補填する代替財源として「軽自動車税」の増税が検討されているという話題をお届けしましたが、どうやらそうした動きが具体化しつつあるようです。
産経新聞によると、総務省の有識者検討会が17日、地方税法に基づく自動車税と軽自動車税の見直しを盛り込んだ報告書案をまとめた模様。
エンジンの排気量に応じて課税する現行制度に対して、燃費や環境性能を加味した課税方式に改める方法など、複数案を提言しているとか。
複数案のうち「自動車税」や「軽自動車税」に於いて、購入初年度に限って燃費の良いクルマを減税する半面、CO2排出量の多いクルマを増税する案と、燃費に応じて税金を割り引く案が検討されているようです。
今後の動向によっては燃費の悪いクルマだけで無く、税負担が少ないことで販売台数が大きく伸びている軽の「軽自動車税」が増税となる可能性も有ると言います。
同検討会は今回の報告書を基に与党税制調査会で最終的な結論を月内にまとめて年末の税制改正大綱に盛り込む方針。
「軽自動車税」が大幅増税となれば、当然ながら自動車業界からの反発は必至。
一方、自動車諸税の軽減を求めて、自工会(日本自動車工業会)を中心に消費者の負担となっている「自動車取得税」と「自動車重量税」の撤廃を訴えて来ましたが、政府側で動きが有るのは前者のみで、後者については未だに手が付けられていません。
自工会資料によると、年間税収 約3.3兆円にのぼる車体課税のうち、消費増税時の「自動車取得税(地方税)」廃止に伴う税収減は約1,900億円ですが、「自動車重量税(国税)」による税収は6,500億円と、遥かに大きなウエイトを占めています。
「自動車重量税」の廃止が棚上げされている理由がどうやらここに有る模様。
しかも今回手が付けられようとしている「自動車税(地方税)」による年間税収は車体課税の約半分を占める1.7兆円と、これまた桁違いのボリュームで、これに「消費税」の7,000億円が続きます。(他にも燃料課税が4.4兆円)
今回のように「自動車取得税」廃止の一方で、税の付け替え作業が行われている状況では世界の中でもダントツに高負担な自動車諸税が軽減される日はまだまだ遠そう。
今後は自動車業界のみならず、我々自動車ユーザー側も声を大にして異を唱えて行く必要性が高まっていると言えそうです。
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