ボルボがボディをバッテリーにする画期的な技術を発表【動画】

 電気自動車やハイブリッドカーなど、電動車両においては駆動用バッテリーという内燃機関のクルマにはない重量増の要素があり、その重さは無視できないレベルとなっています。また、バッテリーが場所をとってしまうためにラゲッジスペースを狭くしてしまうなど使い勝手でもネガティブな要素となることも否めません。

そうした二次バッテリーの置き場について、ボルボをはじめとした研究チームが画期的な方法を提示しています。  

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その方法とは、カーボンファイバーとポリマー樹脂を組み合わせて、ナノレベルで充電できるボディパネルを作ってしまうというもの。これによりバッテリーがキャビンやラゲッジスペースを侵食してしまうこともなく、また軽量化にもつながるといいます。

実際、テストベッドとなったボルボS80で製作されたカーボン製の蓄電トランクリッドはノーマルのトランクリッドよりも軽くできているほど。ボンネットを開けると、ストラットタワー左右をつなぐカバーをこの蓄電装置で作り、12Vバッテリーと置き換えています。これにより50%もの軽量化を実現できるということです。

電気自動車の場合、15%の軽量化が期待できるという、この蓄電型ボディパネル。電動化のトレンドが拡大する自動車の未来に大きく影響を与えるテクノロジーとなりそうです。 

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(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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