各種報道によると、この冬のボーナスは東証一部上場企業の平均で70万円弱ということです。上場企業の”平均”でこの金額ですから、これからクルマを買おうという層にとっては、もっと厳しい状況といえそうですが、ひとつ70万円のボーナスを貰えたらという想定で、いまどきの新車選びを考えてみましょう。
といっても70万円きっかりで購入できるクルマというのは現実的ではありません。車両本体のメーカー希望小売価格が70万円以下というモデルは軽商用車にはありますが、パーソナルユースはやはり乗用モデルにしたいものです。
そこで、頭金にボーナスを使って、少額のローンを組むというイメージで、100万円を目安に”軽自動車”と”輸入車”から本命と対抗をそれぞれピックアップしてみましょう。
まず軽自動車の本命。
ダイハツ・ミラ イースL “memorial edition” :900,000円
FWD・CVT JC08モード燃費: 30.0km/L
「第三のエコカー」としてデビューから一年を記念した特別仕様車。その中でもベーシックなLは、この価格ながらキーレスエントリー(リモコン付きキー)が装備されるというのがうれしいところ。特別仕様車限定のライトローズマイカメタリックも個性的では? スズキのアルトエコ(895,000円~)も候補になりますが特別仕様車のお得感でミラ イースが本命。
そして、ちょっとハズした対抗。
ホンダ・ライフC :980,000円
FWD・4AT JC08モード燃費:19.4km/L
最新のホンダ軽自動車といえば、N BOX、N-ONEといったNシリーズですが、価格を考慮すると一世代前のライフがちょうどいいモデル。ベーシックなCグレードでも高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラスや EBD付ABSを標準装備しています。また、1気筒あたり2プラグのi-DSIエンジンは高回転まで回るので意外に楽しめます。
というわけで、軽自動車の本命はモード燃費30.0km/L以上のエコカー。軽自動車は税金のほか任意保険も安くなるケースがあるので、とくに保険等級の低いユーザーには負担減に効いてくる選択となります。
続いて輸入車。いわゆる”外車”が新車で100万円というのは難しいわけですが 、この2台であれば狙えそうな価格帯です。
三菱ミラージュ E :998,000円
FWD・CVT JC08モード燃費:23.2km/L
日産マーチ 12S Vパッケージ : 1,036,350円
FWD・CVT JC08モード燃費:21.4km/L
2012年8月から販売がはじまった三菱ミラージュと、10月に小改良を受けた日産マーチ。ともにタイで生産される”輸入車”で、3気筒エンジンにCVTを組み合わせるというパワーユニットも似ているコンパクトカーです。
今回チョイスしたのは、どちらもベーシックグレードで、両車ともアイドリングストップ機構は備わりません。そのためモード燃費のスペックでは上位グレードに劣りますし、また装備面でも物足りない部分はありますが 、環境性能としては十分なレベル。ミラージュはシルバーなど地味目の色しか選べませんが、マーチはグリーンなど6色から選べるのが魅力でしょうか。
しかしながら、どれも乗り出しには諸費用がプラスされますし、維持費もそれなりに必要となります。
そこで大本命の一台。
トヨタ車体 コムスP・COM:798,000円
一人乗りの電気自動車「コムス」はいかがでしょうか。パーソナルユースを意識したP・COMの本体価格は80万円近くなりますが、じつは補助金が最大7万円ほど見込めるので、70万円ちょっとで買えてしまいます。写真のライムグリーンはオプション色ですが、標準でホワイト、ブラック、パープルから選べるのでパーソナルユースにマッチしそうです。
電気自動車とはいえ、特別な充電設備は必要なく、家庭用コンセント(アース付き)で充電可能。満充電までには約6時間が必要で、航続可能距離は約50kmということ。近距離専用コミューターといえば、まさに注目を集めているカテゴリーで、その世界を一足早く体験できるというわけ。
またミニカー登録となるので運転には四輪免許が必要です。最高速度は60km/hで高速道路などは走れませんが、維持費は原付バイク並ですし、置き場所が確保できれば、ユニークな四輪車として生活に刺激を与えてくれそう。またベーシックなビジネス仕様は668,000円でボディも素材色。自分色に染めるカスタムベースとしては、こちらも面白い存在といえるのでは?
(山本晋也)