Forza Horizonの舞台となっているコロラドのオープンワールドではストリートレーサーたちのプライドと度胸をを賭けたさまざまなレースイベントが開催されています。その中でも手に汗握る展開とド迫力で私を魅了したのが大戦時代の戦闘機と70年代のアメリカンマッスルカーのガチンコ勝負「マスタング vs マスタング」です。
これはForza Horizonの中でも特にお祭り要素の1つである「ショーケース」といわれるイベントの1つで、1970年式フォードマスタングBOSS429と第二次世界大戦に飛行した戦闘機P-51マスタングのバトルショー。カーブが多くアンジュレーションに富んだ山間部の道を数カ所のチェックポイントをクリアしながらどちらが先にゴールインできるのかを競います。もちろんプレイヤーはフォードマスタング。まさに「直線番長 vs コーナーリングマシン」の一騎打ちといったところでしょうか。
最高速では圧倒的なP-51マスタング(最高速703km/h)と旋回半径が小さいマスタング、さてどちらが速いのでしょうか?バトルはこちらの動画でごらんください!
ここで少々マシンの説明を。まずはクルマの方、このフォードマスタングBOSS429は1969年から1970年にかけて製作された2代目マスタングをベースとしたスペシャリティモデル。当時のレース、NASCARで勝つために少量生み出されたホモロゲーションマシン(競技参加用)です。429キュービックインチをccで排気量換算するとなんと7000ccのモンスター級サイズ。当時のフォードの発表では375馬力とアナウンスされていましたが、これは高い保険料対策で、実際はは500馬力を超えていたとか。HEMIヘッドといわれる半球型の燃焼室を持ったハイスペックエンジンで、ボンネットに大きく口を開いたエアスクープから大気をガバッと取り込みエンジンに供給するラムエア方式を採用、その暴力的な加速は現代のスーパーカーをも凌駕するのではないでしょうか。輝かしいレース戦歴やパフォーマンスもさることながら現存数が非常に少ないこともあり、いまやマニア垂涎の1台となっています。
もう1つ「マスタング」、P-51マスタングはプロペラ型戦闘機では最も人気のある機種で、当時最強とも言われていました。こちらのエンジンは英国のロールスロイス社製マーリンエンジン。スーパーチャージャーで過給することで2000馬力近いパワーを発揮、時速700km/hを超える最高速は、零戦はおろかジェット戦闘機とも互角に戦える性能を有していたとか。現在でも150機程度が現存していて、いまでも米を中心とした航空祭、エアレースなどで活躍しています。
さて、この「マスタング vs マスタング」、勝負の決め手はコーナーリングにあります。大馬力の後輪駆動車ですので、カーブではなるべくスピードを殺さずにドリフトで切り返しましょう。素直なハンドリングですのでライン取りをしっかりしながら基本通りの走りをすればきっと勝てますよ。そうそう、このレースでチェックポイントを通過する際にマスタングのすぐ真上を通過するP-51の音と振動にはちょっとアセりますので冷静に対応してくださいね。
Forza Horizonの舞台はあくまでも公道、一般道なのでサーキットにはない要素、一般車があちこちでのんびりと走行しています。彼らはどこにでもいるごく普通のドライバー達、交通ルールを順守し走行していますがお行儀が良い分、スピードレンジの差が大きくてレース中には大きな障害となるのです。アザーカーをどのようにいなすのかが勝敗を左右する「分かれ目」になることもあるので、プレイ中には十分気をつけて!例えば公道レース中、ライバル車が事故を起こすと一般車は(びっくりして?)急ブレーキをかけて停車してしまいます。避けきれなくてオカマを掘るようなことにならないように慎重に。逆に反対車線を爆走していると、パッシングで注意喚起されることも!2車線以上の広い道ではウインカーも出さずに車線変更をしてくるので、直線が長くてスピードの乗る道路では一般車の挙動に注意してくださいね。レース中のライバル車も一般車をたくみに利用しながら私たちの行く手を阻もうとします。(ライバル車が)ラインを空けてくれることがあるのですが、そこに入り込もうとすると一般車がゆっくり走っていてビックリなんてことがよくあります。衝突してしまうと、損傷はたいしたことはないのですが大きなタイムロスになってしまいますので、ライバル車のイジワルには特にご注意を!
「ちょっと邪魔だなあ」と思う反面、一般車あってこその公道バトルのスリリングさが味わえる点がこの「Forza Horizon」のおもしろいところ。サーキットレースとは違った複雑な要素が絡まって、瞬時に的確な判断をしながらライバルとのバトルを勝ち進んでいく醍醐味はオープンワールドならではの楽しみ方といえるでしょう。また、このゲームならではの「ロックンロール」なところといえば、ムチャな走りが点数につながるというところ。一般車の脇を猛スピードですり抜けて怖い思いをさせればトリックポイントもゲットで人気もうなぎ上り!善良な一般車を片っ端から縮み上がらせてワイルドなヒーローを目指しましょう。
それではそんなオープンワールドにリアリティを補完する大事なアザーカーの一部を紹介しますね。
・トヨタ プリウス
こちらは2011年にデビューした現行型プリウス。1997年に世界初の量産型ハイブリット自動車としてデビューした初代から数えて3代目にあたります。10・15モードでリッターあたり38kmと世界最高水準の省燃費を実現しています。
・トヨタ カムリ
トヨタの世界戦略車。こちらは8代目となるカムリで2009年にマイナーチェンジを受けた後期型。メルセデス・ベンツのEクラスやBMW5シリーズが直接ライバルとなるEセグメントで、アメリカでは高級車の部類に入る一台です。
・トヨタ カローラ
こちらは1991年に発表された7代目カローラ。バブル経済のまっただ中で開発されたこのクルマはカローラ至上最高の質感といわれて登場しました。アメリカではリセールバリューも高いことから人気の一台だそう。
・日産 リーフ
日産が2010年から発売している量産電気自動車(EV)。満充電で約200km走ることが出来るそうです。アメリカの現地価格は約32,700ドル(日本円で約250万円)と日本に比べ大幅に安く販売されています。
・フォード F-350
ピックアップトラック「F-350」は全米ベストセラー「Fシリーズ」のフルサイズ版、「スーパーデューティ」と呼ばれています。建設作業の運搬などに使用されるため、Fシリーズの中でも強化したシャーシやパワフルなエンジンが組み合わされています。アザーカーとして登場しているのは2008年デビューの2代目。ラインナップでは「デューリー」という後輪がダブルタイヤ、ブリスターフェンダー仕様もあります。
・フォード フォーカスセダン
このセダン、日本では未導入モデルですが、ヨーロッパではベスト・ハンドリングカーと称される人気の世界戦略車。2.3Lの直列4気筒エンジンを搭載し、クラス最大級のホイールベースで車各の割には快適な室内空間を有す人気の一台です。
・フォード トーラス
2009年にデビューした6代目トーラスは映画「メン・イン・ブラック3」の主人公、J(ウイル・スミス)とK(トミー・リー・ジョーンズ)のパトロールカーとしても有名です。このトーラスの高性能モデル「SHO(ショー)」は3.5L直噴ターボを搭載、V8並の365馬力を発揮します。
・フォード エクスプローラー
アメリカンSUVの代表格がこのフォードエクスプローラ。力強いスタイリングや7名乗車可能なパッケージ、優れた走破性など幾度もベストセラーカーに輝いた実力派の一台です。
・GMC ユーコン
ゼネラルモータースがGMCブランドで販売しているフルサイズのSUV。シボレーのサバーバンやタホのバッジ違いのクルマです。豪華版「デナリ」はキャデラック・エスカレードと同じ6.2Lのエンジンが搭載されます。
・ アウディ A4 アバント
アウディで「アバント」とはワゴンモデルを表します。こちらはBMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスなどと同サイズのDセグメント。ミドルセダンの中でもとりわけ人気の高いクルマです。
・VW ニュービートル
かつてフォルクスワーゲン社が製造していた「タイプⅠ」をモチーフとし、ゴルフの基本コンポーネントを流用したこのニュービートルは、リバイバルデザインブームの火付け役となりました。
ここに紹介出来なかったまだまだたくさんのアザーカーがコロラドの道を走っています。実車をしっかり再現されているので、たまにはのんびり並走するのも楽しみの1つかもしれないですね。
(栗原 淳)
【関連リンク】
・Forza Horizon公式サイト
http://forzamotorsport.net/en-us/FH/Default.aspx
・Xbox.com Forza Horizon公式サイト
http://marketplace.xbox.com/ja-JP/Product/Forza-Horizon/66acd000-77fe-1000-9115-d8024d5309c9
・Clicccar.com Forza Horizon特集ページ
https://clicccar.com/forzahorizon/