急速充電に対応したトヨタの電気自動車「eQ」は360万円で2012年末に限定リリース

トヨタは、2012年12月より、自治体など特定利用者に向けて日米でリリース予定の小型・電気自動車「eQ」の詳細を発表しました。

ネーミングからも想像できるように、小型乗用車「iQ」をベースにした電気自動車。いわゆるコンバージョンEVながら、パッケージングに工夫することで、実用性を確保。航続可能距離も100kmとコミューターとしては満足できるスペックを実現しています。

コンパクトにまとめられたバッテリーの総電力量は12kWhと控えめですが、104Wh/kmという世界最高水準の電費を実現したことが100kmという航続可能距離につながったとのこと。なお最高速は125km/hと用途からすると十分な性能を持っています。

 

また充電方式は、SAE J1772の普通充電に加えて、CHAdeMO急速充電にも対応。バッテリー総電力量が小さいこともあり、15分という短時間で80%充電ができるということです。

 

●主要スペック(日本仕様)
車名 eQ(イーキュー)
全長/全幅/全高  3,115/1,680/1,535mm
ホイールベース  2,000mm
トレッド前/後  1,475/1,460mm
最小回転半径  4.1m
乗車定員  4名
駆動方式  FF
空車重量  1,080kg
 タイヤサイズ  175/65R15
交流電力量消費率(JC08 モード) 104Wh/km
充電走行距離(JC08 モード)  100km
最高速度  125km/h
モーター種類  交流同期電動機
モーター最高出力 47kW
モーター最大トルク 163 N.m
バッテリー種類  リチウムイオン
総電圧  277.5V
総電力量  12kWh
普通充電(AC200V)  約 3時間
普通充電(AC100V)  約 8時間
 DC 急速充電  約 15分(80%充電)
生 産  トヨタ自動車㈱ 高岡工場
車両本体価格(消費税込み)  360万円  

日常的な近距離走行を想定することで、電池容量を極力小さく(車体を軽く)して、効率的なエネルギー利用とコンパクトなボディによる扱いやすさを狙ったというトヨタの電気自動車。ハイブリッドや燃料電池車というラインナップによる住み分けが、こうしたコンセプトにつながったといえそうです。
(山本晋也)

 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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