都市鉱山ならぬハイブリッド鉱山の採掘手法をホンダが確立した

ケータイ電話やパソコンなどから、貴重なレアメタルやレアアースを回収・再利用することを都市鉱山などと呼ぶこともありますが、ホンダは日本重化学工業と共同で、市販車からニッケルやコバルトといったレアメタルやレアアースを回収する方法を確立したと発表しました。
実験レベルではなく、リサイクルプラントの量産工程で抽出できるようになったそうです。

今回のターゲットとなるのは、ハイブリッド車用ニッケル水素バッテリーです。すでにトヨタもハイブリッドカー用バッテリーのリサイクルには取り組んでいますが、そこに含まれるレアメタル、レアアースを一環した工程で抽出できるようになったことが世界初となるポイントです。

日本重化学工業のプラントにて安定して抽出することにより、使用済みニッケル水素バッテリーに含まれるレアアースの回収率は80%以上という高レベル。回収したレアアースはニッケル水素バッテリーなどに幅広く再利用できるということです。

この技術はハイブリッドカー用バッテリーだけではなくレアアースを含む他の部品にも応用可能で、さらなるレアメタルやレアアース再利用の拡大が期待できそうです。

まさしく、ハイブリッドカー鉱山の出現です。

■使用済み部品に含まれるレアアースの再利用について(本田技研工業)
http://www.honda.co.jp/news/2012/c120417.html

■HVバッテリーリサイクル(トヨタ自動車)
http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/battery_recycle/

■トヨタのHVバッテリーリサイクル映像

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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