車に初搭載されるDSオートモビルの「ChatGPT」は何ができる?

■日本には2024年4月中旬頃に導入予定

対話型AIチャットサービスの「ChatGPT」は、ビジネスを中心に教育現場や小説の創作などにまで急速に普及しています。カスタマーセンターなど、ユーザーが知らずに使っているケースもあるでしょう。

DSオートモビルが「ChatGPT」を標準化する
DSオートモビルが「ChatGPT」を標準化する

「ChatGPT」は、自動車の世界にも広がるのは間違いなさそうです。DSオートモビルは、インフォテインメント「DS IRISシステム」に、2023年10月からChatGPTサービスの試験を導入。音声認識機能と組み合わせて使うことで、車内で生成AIを楽しめるようになったと明らかにしました。

試験導入により、音声認識の利用率が50%以上増加したそうで、DSオートモビルはChatGPTを標準装備すると発表しました。ChatGPTの標準装備化により、どんなことができるのでしょうか。DSオートモビルは、一例として下記のようなシーン(質問)を挙げています。

「このエリアにはどんな観光スポットがありますか?」
「10歳の息子と一緒に2時間滞在するとしたら、この城では何をするのがおすすめですか? その場所まで案内してください」
「この料理と一緒に何を飲むのがおすすめですか?」
「この場所を舞台に、この人物を主人公にして物語を創作してください」
など、スポット検索だけでなく、幅広いケースに対応できるようです。

こうしたやりとりは、ドライバーが脇見運転をしたり、ステアリングホイールから手を離したりすることなく、楽しんだり、学んだりすることも可能になります。

DSブランド以外にも広げていく構え。写真は「DS 3 エスプリ・ド・ヴォヤージュ」
写真のDSモデル以外にも広げていく構え。写真は「DS 3 エスプリ・ド・ヴォヤージュ」

こうした移動体験を実現するために、ChatGPT機能は「Connect Plus Package」の一部として用意されます。

同パッケージは、モデルに応じて、コネクテッドナビ、コネクティッドナビに含まれる「EV Trip Planner」、リモートコントロール、最寄りの充電ポイントを推奨し、バッテリー残量をリアルタイムで更新することで、目的地まで案内される「eリモートコントロール」、コネクテッドアラーム、アプリを使って目的地やスポットを検索、入力できる「Send2Nav」なども含まれています。

なお、同パッケージは、DSオートモビル全モデルに3年間、標準で用意されます。

DSオートモビルのオリヴィエ・フランソワCEOは、「ChatGPTを車の世界に取り入れたパイオニアとして、柔軟かつ直感的で、没入あふれるアクセスが可能な生成AIを生み出し、あらゆる移動の機会をユニークな旅に変えていきます」とコメントしています。

また、Stellantisのソフトウェア最高責任者のイヴ・ボンヌフォン氏は、「試験導入の成功とユーザーからの熱狂的な反響を受けて、ChatGPT機能を標準化する初のブランドになることを誇りに思います。DSすべてのモデルを皮切りに、間もなくほかのStellantisブランドにも導入する予定です」と説明しています。

「DS 3」「DS 4」「DS 7」「DS 9」の全モデルが対象で、3月から出荷される「DS IRISシステム」を備え、音声認識機能が導入されている18か国および13の言語で、同機能がインストールされます。日本語にも対応していて、日本への導入は2024年4月中旬の予定となっています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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