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■日産とイタルデザインが共同開発したスペシャルモデル
2018(平成30)年12月7日、日産自動車はイタルデザインと共同開発した50台限定「GT-R50 by Italdesign」の市販モデルのデザインを公開し、あわせて受注を始めました。
「NISMO GT-R」をパワーアップしたこのスペシャルモデルは2021年11月から出荷され、2022年6月に受注が終了しました。
●最高出力720PSを誇るスーパーカー「GT-R50 by Italdesign」
GT-R50 by Italdesignは、「日産GT-R」が2019年に50周年、同じくイタルデザインが2018年に50周年を迎えたことを記念して製作されたスペシャルモデルです。
ベースはGT-R NISMOで、内外装のデザインは日産デザインヨーロッパと日産デザインアメリカがカスタマイズし、開発と製造はイタルデザインが担当。ボディカラーやインテリアカラーは、ユーザーの好みでオーダーが可能でした。
低いルーフラインやフロントフェンダーのエアアウトレット、大きな可変式リアウイングなど、並みのスポーツモデルとは一線を画す風格とダイナミックさを兼ね備えたスタイリング。
インテリアについても、センターコンソールやドアの内張りに2種類のカーボンファイバー、シート素材は黒のアルカンターラと黒のレザーと、豪華な仕様が採用されました。
エンジンは、チューニングされた3.8L V6ツインターボ(VR38DETT)を搭載、ベースに対して120PSアップの720PS、最大トルクは128Nmアップの780Nmを発生。この強力なパワーを支える足回りには、ビルシュタイン製サスペンションとブレンボ製ブレーキが装備されました。
車両価格は、90万ユーロ(約1億1700万円)と破格でした。
●50周年を迎えた日産GT-Rの始まりは、3代目「スカイライン2000GT-R」
初めてGT-Rを冠したのは、1969年2月にデビューした3代目スカイライン(通称、ハコスカ)の最強モデル「スカイライン2000GT-R」です。
エンジンは、先代の「スカイライン2000GT」に搭載されたグロリア用2L直6 SOHCエンジンをベースに、DOHC化して3連キャブ仕様とした「S20型」で、最高出力160PS/7000rpm、最高速200km/hを誇り、サスペンションやブレーキなどにも最新の技術が盛り込まれました。
2000GT-Rは、レースでそのパワーを見せつけ、デビュー戦のJAFグランプリレースで勝利を飾ると、その後も進化しながら他を寄せつけない圧倒的な走りで、1969年から1972年まで国内レース49連勝という金字塔を打ち立てたのです。
その後もスカイラインGT-Rは、日本を代表するスポーツモデルとして5代目(R34型)まで進化を続け、2007年の6代目(R35型)からはスカイラインの名が除かれ、「日産GT-R」として現在に至っています。
●50周年を迎えたイタルデザインは、ジウジアーロが設立したデザイン会社
イタルデザインは、イタリアの工業デザイナーの巨匠ジウジアーロが1968年に設立した、車のデザインや開発を手がける会社です。
ジウジアーロは、日本でも多くの名車を手掛けており、代表的なモデルは、いすゞ「117クーペ(1968年~)」「ピアッツァ(1981年~)」「ジェミニ(1984年~)」、日産「初代マーチ(1982年~)」、マツダ「ルーチェ(1965年~)」、スズキ「フロンテクーペ(1971年~)」、トヨタ「初代スターレット(1973年~)」「アリスト(1991年~)」、ダイハツ「コンソルテクーペ(1973年~)」、スバル「アルシオーネSVX(1991年~)」など、いずれもイタリア車の雰囲気漂う流麗なスタイリングが特徴です。
日産GT-R50 by Italdesign は、2021年11月から出荷が始まり、2022年6月に受注が終了しました。世界限定50台ということでしたが、1億円超の車なので日本で販売されたかどうか定かではありませんが、なかなかお目にかかることはないでしょうね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)