ロックの帝王「エルヴィス・プレスリー」のバイクは今どこに? トライアンフが1965年の歴史的9台の捜索で特別車を製作

■世界に1台だけのカスタムバイクを製作

イギリスのバイクメーカー「トライアンフモーターサイクルズ(以下、トライアンフ)」は、ロックンロールの帝王として有名な故・エルヴィス・プレスリーさんが、1965年に友人たちへ贈った9台のトライアンフ製バイクを捜索していることを発表しました。

現行モデルの「ボンネビルT120」をベースにした世界に1台のカスタムバイク
現行モデルの「ボンネビルT120」をベースにした世界に1台のカスタムバイク

また、プレスリーさんの邸宅などを管理するエルヴィス・プレスリー・エンタープライズと共同で、この捜索活動資金を集めるために世界に1台だけのカスタムバイクを製作したことも公表。

現行モデルの「ボンネビルT120」をベースに、プレスリーさんをオマージュした特別仕様車を作り、オークションに出品するといいます。


●バイク大好きのプレスリーさんが仲間に贈った9台

エルヴィス・プレスリーさんといえば、昔からの洋楽ファンならお馴染み、アメリカを代表する偉大なアーティスト。10億枚以上のレコードを売り上げ、歴史上最大のセールスを記録しただけでなく、ハリウッドで31本の映画にも出演。世界中に多くのファンを持ち、音楽界において永遠のレジェンドといえる存在です。

バイク愛好家だったプレスリーさん
バイク愛好家だったプレスリーさん

今回、トライアンフが捜索しているのは、そんなプレスリーさんが1965年に地元のテキサス州メンフィスの仲間たちへ贈ったという9台のバイクです。

元々バイクが大好きだったプレスリーさんは、親しい友人たちとロサンゼルスの丘陵地帯を一緒に走るために、トライアンフのバイク9台をプレゼントとして購入したそうですが、その行方がその後不明に。

そこで、この歴史的ともいえるトライアンフ9台の行方を捜すというのが今回のプロジェクト。世界中のファンに呼びかけ、もし見つかれば、他の歴史的なトライアンフとともに展示される予定なのだそうです。

トライアンフに乗るプレスリーさん
トライアンフに乗るプレスリーさん

●プレスリーさんをモチーフにカスタマイズ

プレスリーさんが購入したバイクは、当時、トライアンフの性能を大きく変えたといわれる「650 TR6」と「650ボンネビルT120」の1964年モデルである可能性が高いとのこと。

1964年式T120(右)とカスタムT120(左)
1964年式T120(右)とカスタムT120(左)

そこでトライアンフは、現行モデルの「ボンネビルT120」をベースに、カスタムバイクを製作。燃料タンクにレッドの下地とプレスリーさんのシルエットなどを施し、ライトの中にゴールドのブロックレタリングで「エルヴィス・プレスリー」の名前も描かれているといいます。

ちなみに、このバイクと同じく、プレスリーさんと縁が深いギター、ギブソンの名機「レスポール」も、特別仕様のボンネビルT120とマッチングさせたカスタムを施し、セットにしているのだとか。

バイクのカスタムに合わせた特別仕様のギターも製作
バイクのカスタムに合わせた特別仕様のギターも製作

そして、このバイクとギターは、バイクの捜索資金を集めるためだけでなく、プレスリーさんお気に入りの支援団体である『Goodwill Homes』(メンフィスにある虐待を受けた子どもとその家族にカウンセリングとサービスを提供する施設)への寄付を募るため、エルヴィス・プレスリー慈善基金に寄贈。その後、オークションに出品されるのだといいます。

ロックの帝王が58年前に購入したバイクの捜索はもちろん、今回のスペシャルバイクが一体誰の手に渡るのかも気になるところですね。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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