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■徹底した軽量化とシーケンシャルターボで走りを極めた3代目
1991(平成3)年10月16日、マツダがRX-7の3代目となる「アンフィニRX-7」を発表、発売は12月1日から始まりました。
3代目は、軽量化とハイパワーのシーケンシャルターボエンジンによって、走行性能を徹底的に追求したピュアスポーツでした。
●ロータリー第6弾として登場したロータリースポーツのサバンナRX-7
「コスモスポーツ」に始まったマツダのロータリー展開は、その後「ファミリアクーペ」「ルーチェクーペ」「サバンナ」「コスモAP」と続き、第6弾として登場したのが「サバンナRX-7」です。
サバンナRX-7でまず注目されたのは、そのスタイリング。リトラクタブルヘッドライトを装備したラジエータグリルレスのスラントノーズ、リアは個性的なリフトバックウインドウとリアデッキと、斬新さが際立っていました。
搭載された12A(573cc×2)型ロータリーエンジンは、最高出力130PS・最大トルク16.5kgmを発揮。1000kgを切る軽量ボディによって、最高速度は180km/h、0-400m加速15.8秒と、ポルシェ924やフェアレディZに匹敵する抜群の動力性能を誇示したのです。
さらに、軽量コンパクトなロータリーの特徴を生かして、エンジンをフロントミッドシップに搭載したFR駆動で、前後重量配分を50.7:49.3と最適化することによってスポーツカーらしい軽快なハンドリング性能も実現。170万円から入手できた安価なロータリースポーツは、大ヒットしました。
●パワーアップと高級化を目指した2代目
人気のサバンナRX-7は、1985年に始めてのモデルチェンジを行い、2代目に移行。2代目RX-7は、スポーティさに加えてラグジュアリー感も追求したのが特徴でした。
初代のシャープなスタイリングから、やや丸みを帯びた空力性能に優れたマッシブなスタイリングに変貌。先代同様FRながら、前後重量配分はほぼ理想的な50.5:49.5を実現しました。
パワートレインは、「コスモ」に搭載されていた13B型(654cc×2)直列2ローターエンジン。これにインタークーラー付ツインスクロールターボを搭載し、最高出力185PS・最大トルク25kgmを発揮。車両価格は、代表的なグレードGT-Limitedで303.8万円でした。
2代目サバンナRX-7もまた初代の人気を引き継ぎ、走り好きのファンから熱烈な人気を獲得したのです。
●最速のロータリースポーツとして登場したアンフィニRX-7
3代目「RX-7」は、マツダが当時行っていた販売ネットワークの5チャンネル化のひとつの名称である「アンフィニ」の冠が付けられ、アンフィニRX-7として販売されました。
先代よりも、さらにワイド&ローの流麗かつ躍動感あるスタイリングとなり、RX-7として初めて3ナンバーボディとなりました。3ナンバーながら、マツダ独自のモノコックスペース構造による軽量化ボディによって、車両重量は1270kg~1280kgに抑えられました。
ロータリーエンジンは、13B-REW(654cc×2)型でシーケンシャル・ツインターボの装着によって、先代を大きく上回る最高出力255PS・最大トルク30kgmを発揮。
車両価格は360万~444万円とかなり高額でした。ちなみに当時の大卒の初任給は17万円(現在は約23万円)程度でした。
最高速度180km/h、0-400m加速は13.8秒と国内トップの性能を誇りましたが、燃費の悪さやバブル崩壊の影響もあり、2002年に生産を終えました。
アンフィニRX-7がデビューした1991年は、マツダのロータリー搭載マシン「787B」が日本車として初めてル・マン24時間レースで総合優勝を飾った年でもあります。マツダが地道な開発を重ね、モノにしたロータリーエンジンが、大きな脚光を浴びた年でした。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)