日産とTOPPANエッジ、広大な車両センターで車両位置をリアルタイムに管理できる物流管理システムを新開発

■GPSとRFIDを使い、完成車両の位置情報をボタンひとつで登録できる

日産自動車と凸版印刷のグループ会社・TOPPANエッジ(トッパンエッジ)は、完成車両位置をピンポイントでリアルタイムに把握が可能な、新たな物流管理システム(VPM/Vehicle positioning management system)を共同で開発しています。

2023年6月13日(火)、日産の製造拠点のひとつである日産自動車九州(日産自動車九州)の敷地内にある車両センターで運用が開始されました。このシステムは、完成車両の管理に要する情報登録時間の削減、物流管理工程の効率化に寄与し、最終的には納車期間の短縮に貢献することを目指しているそうです。

日産自動車九州の敷地内にある車両センター
日産自動車九州の敷地内にある車両センター

この「VPM」は、GPSとRFID(Radio frequency identification/電波を使って非接触でデータを読み書きする技術)を採用。完成車両の位置情報をボタンひとつで登録し、リアルタイムに把握できるシステム。日産自動車九州で生産された車両を輸送に向けて埠頭エリアにて保管、管理される工程で導入されています。

作業者による駐車車両の位置登録の様子
作業者による駐車車両の位置登録の様子

広大な敷地内において、完成車両の移動を行う作業者が装着する専用デバイスのボタンを押すだけで、車両情報と位置情報を取得することができます。これまでは、手作業で実施されていたという位置情報の登録や、集計などの効率化を実現。

また、完成車両の保管場所、空きスペースをすぐに把握できるようになり、より効率的な車両管理が可能になります。

専用デバイスのボタンを押すだけで、車両情報と位置情報を取得可能
専用デバイスのボタンを押すだけで、車両情報と位置情報を取得可能

同システムは、日産が有する完成車両物流のノウハウや技術、TOPPANエッジが持つRFIDやGPS分野の技術を合わせ、自動認識技術の完成車両物流への適用の可能性を検証しながら、開発を推進してきたそうです。

なお、GPSとRFIDを組み合わせた完成車両の物流管理システムの本格的な運用は、自動車製造業では日本国内初の試み(TOPPANエッジ調べ)とのことで、日産グループ内での導入拡大に向けて検討を進める構えです。また、日産とTOPPANエッジの共同で、同システムに関する特許の出願も行っているそうです。

サービスエリアなどの広い駐車場で、地図アプリなどで自車位置を確認している方も多いでしょう。同じクルマがずらりと並ぶ車両センターでは、より高精度な技術が必要なようです。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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