「ロバンペラ・フィーバー」に沸いたエビスサーキット、WRCチャンピオンはFRドリフト仕様「GRカローラ」で神技ドリフト

■フォーミュラドリフトジャパン(FDJ)初参戦で見事に優勝を飾る!

今大会のベストバウトと評価された、若手ドライバー「蕎麦切広大」選手とのバトル
今大会のベストバウトと評価された、若手ドライバー「蕎麦切広大」選手とのバトル

2022年に歴代最年少のWRC(FIA世界ラリー選手権)王者に輝いた、フィンランド出身のカッレ・ロバンペラ選手が、日本のドリフト競技に緊急参戦することで話題となった「フォーミュラドリフトジャパン・ラウンド2」が、福島県のエビスサーキット西コースで5月20日(土)〜21日(日)に開催されました。

ロバンペラ選手をひと目見ようと、多くのギャラリーがエビスサーキットへ
ロバンペラ選手をひと目見ようと、多くのギャラリーがエビスサーキットへ

現役トップラリーストの登場とあって、ドリフトファンだけでなく、たくさんのラリーファン、モータースポーツファンが詰めかけたエビスサーキット。

「TOYOTA GAZOO Racing」×「Red Bull」×「CUSCO」×「YOKOHAMA」×「HKS」という、夢のようなコラボレーションによる今回のエントリーだけに、世界中から注目を集め、多くの報道陣も取材に訪れていました。

世界各国から多くのメディアが詰めかけました。ロバンペラが動くと各メディアも動く…
世界各国から多くのメディアが詰めかけました。ロバンペラが動くと各メディアも動く…

参戦車両名は「Red Bull GR COROLLA」。世界に1台だけの、FRドリフト仕様のGRカローラです。

参加チームは、フォーミュラドリフトジャパンのチームランキング首位を走る「CUSCO Racing」とのタッグで、カッレ・ロバンペラ選手の愛称“KR69”をあしらいました。

「TOYOTA GAZOO Racing」×「Red Bull」×「CUSCO」×「YOKOHAMA」×「HKS」という、最強のジョイントが実現
「TOYOTA GAZOO Racing」×「Red Bull」×「CUSCO」×「YOKOHAMA」×「HKS」という、最強のジョイントが実現

パワーユニットはあのチューニング業界の名門「HKS」が手がけ、1000ps以上のパワーを発揮する2JZ-GTEエンジンにチューンアップ。タイヤとホイールは「YOKOHAMA/ADVAN」が供給。

まさに最強のドリームチーム体制で、海外でも知られるドリフトの聖地エビスサーキットへと乗り込んできました。

初参戦にも関わらず、WRC仕込みのテクニックで、本番前日の練習走行から安定したパフォーマンスを見せつけるカッレ・ロバンペラ選手に、否応なく周囲の期待も大きく膨らんでいきます。

GRカローラをFR化し、2JZエンジンに換装して1000psを発生するモンスター
GRカローラをFR化し、2JZエンジンに換装して1000psを発生するモンスター

このエビスサーキットでは走行経験もあり、ヨーロッパでは「DMECドリフト・マスターズ・ヨーロピアン・チャンピオンシップ」シリーズにも参戦しているほど、ドリフトへの思い入れも強いロバンペラ選手。世界を転戦する、過酷なWRCのシーズン中にも関わらず、今回の訪日を非常に楽しみにしていたそうです。

暴れん坊「マッド・マイク」選手とも、にこやかに意見を交わしていました
暴れん坊「マッド・マイク」選手とも、にこやかに意見を交わしていました

土曜日の単走予選では、トップランナーとして登場すると、いきなりの高得点をマーク。2本目もミスなく走り抜けて、単走優勝を飾ります。並みいるフォーミュラドリフトジャパンの腕利きドライバーたちも、そのスゴ技に舌を巻いているようでした。

「STYLE」「ANGLE」「LINE」という3要素で、ジャッジが審査する方式です
「STYLE」「ANGLE」「LINE」という3要素で、ジャッジが審査する方式です

翌日のTOP32トーナメントからは、2台の追走方式。1台ごとに時間差で走るラリー競技とは勝手が違うため、「相手の走りに合わせるのが難しく、苦労するのでは?」という見方もありましたが、それも杞憂に終わります。

特に、日本の若手の中でも急成長株として期待される、蕎麦切広大選手とのバトルは、今大会のベストバウトと言っていい、手に汗握る熱戦。一度では勝負がつかず、「ワンモアタイム」によってロバンペラ選手が勝ち抜きます。

その後もシリーズ上位陣を次々と撃破し、決勝はエビスサーキットを知り尽くした、地元チームオレンジのエース小橋正典選手。熾烈な戦いとなりますが、最後は小橋選手がコースアウトで勝負あり。見事、初参戦で単走・追走と完全優勝を遂げ、WRC王者の存在感と衝撃をファンに残してくれました。

イベント終了後は、他の選手と共にサイン会へ参加し、ファンにも直接対応。他の参戦ドライバーたちも、WRC王者との記念に写真を撮ったり、サインをもらっている姿が見られて、和やかなムードに包まれていました。

スケジュールが合えば、岡山国際サーキットでの「フォーミュラドリフトジャパン・ラウンド6」[10月6日(土)〜8日(日)]に再挑戦する可能性もあるそうなので、期待が高まります。

(文・写真:TOKYO CIAO MEDIA)