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■最上級の快適性と高級感を演出した高級ミニバン誕生
2002(平成14)年5月22日、トヨタの高級ミニバン「アルファード」が発売されました。
アルファードは、FFプラットフォームを利用した圧倒的な広さの室内空間と豪華な装備によって、FRベースの日産自動車「エルグランド」から高級ミニバントップの座を奪取する大ヒットを記録しました。
●高級ミニバンというジャンルを開拓したエルグランド
1997年、ファーストクラスのミニバンを目指して、日産・エルグランドがデビュー。上級感と快適性を追求した室内には、2列目の回転対座シートや、3列目のシートを横に跳ね上げる方式など、7人/8人乗りに対応できる様々なシートアレンジが設定されました。
装備についても、ナビとTVが楽しめるツインナビゲーションやスーパーサウンドシステムなどで上級感を演出。パワートレインは、3.2L 直4ディーゼルターボおよび3.3L V6ガソリンエンジンンと4ATの組み合わせ、駆動方式はFRと4WDでした。
エルグランドは、発売開始から19ヶ月で累計台数10万台を突破する大ヒットを記録、高級ミニバンという新しいジャンルを開拓したのです。
●エルグランドから高級ミニバントップの座を奪取したアルファード
アルファードは、エルグランドから遅れること5年の2002年、ネッツ店で「アルファードV」、トヨペット店で「アルファードG」として、フロントグリルをわずかに変えて販売されました。
“ダイナミズム&ホスピタリティ”を開発コンセプトに登場したアルファードは、落ち着いた気品あるデザインと木目やメッキパーツなどを採用したゴージャスなインテリア、さらに豊富なシートアレンジの3列シートによって最上級の快適性と高級感を実現。
パワートレインは2.4L直4DOHCと4速AT、および3.0L V6DOHCエンジンと5速ATの組み合わせを用意し、翌年にはハイブリッドモデルも追加されました。
標準的な3.0L V6モデルは、336万円~449万円で売り出されましたが、エルグランドにはなかったFFプラットフォームを利用した圧倒的な室内空間の広さと豪華な装備によって、発売直後から大ヒット。あっという間に高級ミニバントップの座をエルグランドから奪取したのです。
●アルファードから派生してヴェルファイアが誕生
2008年のモデルチェンジで、アルファードGは「アルファード」、アルファードVが「ヴェルファイア」に改称され、これ以降アルファードは「上品/洗練」を、ヴェルファイアは「力強さ/先進性」をコンセプトに、独立した兄弟モデルとなりました。
ヴェルファイアの特徴は、2段式となっているヘッドライトや横基調のグリルで、リアには厚みのあるバンパーや2段式のコンビランプが装備され、スタイリッシュなスタイリングが特徴でした。
ヴェルファイアの登場以降は、本家のアルファードの販売は右肩下がりになりましたが、モデルチェンジでヴェルファイアが2代目、アルファードが3代目に切り替わった2015年以降は、アルファードがヴェルファイアを圧倒しています。
アルファードは、現在も月販5000台以上が売れる高級ミニバンの代名詞的な存在となり、ヴェルファイアとともに『アルヴェル』と呼ばれ親しまれています。余裕のあるファミリー層や会社のVIPが、高級セダンの代りにファーストクラスのような室内空間を持つ高級ミニバンに移行している、そんな証でもありますね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)