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■アルトワークスとは異なるアルトのホットハッチ登場
2015(平成27)年3月11日、スズキからアルトのホットハッチ「ターボRS」がデビューしました。
スズキのホットハッチとしては、多くのファンを持つ「アルトワークス」が有名ですが、4代目アルトワークスの生産終了後、高性能ターボモデルとして15年振りに復活したのがアルトターボRSです。
●リトルモンスターと呼ばれたアルトワークス誕生
スズキを代表するホットハッチである「アルトワークス」の誕生は、36年前の1987年まで遡ります。
ベースの「アルト」は1979年にデビューし、“軽ボンネットバン”と呼ばれた大ブームを巻き起こして大ヒットしました。その勢いで登場したのが、高性能モデル「アルトワークス」です。
搭載された軽初のツインカムターボエンジンは、排気量543ccの3気筒DOHC 12バルブエンジンにインタークーラー付ターボを装着。当時の最新技術を盛り込んだ高性能エンジンは、最高出力64PS/最大トルク7.3kgmを発揮。
あまりの高出力ぶりに、この64PSが最高出力規制のきっかけになり、現在でも軽自動車の自主規制値になっています。
●アルトワークスの代わり?に登場したホットハッチのターボRS
その後、2代目(1988年~)、3代目(1994年~)、4代目(1998年~)と進化を続け、アルトワークスはスズキを代表するホットハッチとして絶大な人気を獲得しました。
しかし、1990年代の市場は、トールワゴンが主流になり、またスズキが国内モータースポーツから撤退することを決めたため、4代目アルトワークスは2000年にいったん市場から撤退します。
その後15年の時を経て、アルトワークスではありませんが、高性能ターボモデルとして復活したのが「アルトターボRS」なのです。
吸気VVTを装備した660cc直4 DOHCターボエンジンは、最高出力64PS/最大トルク10.0kgmを発生。
60kg軽量化したボディに、フルタイム4WDとパドルシフト付きAGS(オートギアシフト)の組み合わせによって、小気味よいスポーティな走りを実現しました。一方で、アイドルストップを採用した優れた燃費性能や、自動ブレーキなどの安全装備も充実させています。
実用的なライトスポーツモデルとして車両価格129万円~で登場したアルトターボRSでしたが、なんとその年の12月に5代目アルトワークスが復活、ファンはアルトワークスに流れてしまいました。
●6代目アルトワークスは今のところ具体的なデビューの動きはない
次期6代目アルトワークスのベースとなるであろうアルト9代目は2021年に登場し、通常は1年遅れでアルトワークスが登場することから、そろそろアルトワークスの登場か!?と期待しているファンも多いと思いますが、今のところ出現の情報は開示されていません。
現行の9代目アルトは、トランスミッションに先代のような5速AGSや5速MTの設定がなくCVTのみであることから、単純に現行アルトをベースにしたアルトワークスの登場は難しいように思われます。
また、次期アルトワークスが登場するとしても、これまでのようなピュアガソリンターボ+MTという形でなく、何らかの電動化技術を盛り込んだモデルとなる、と思われます。
5代目アルトワークスデビューまでのつなぎのために登場したのか、それにしても期間的には中途半端であったアルトRSターボ。わずか9ヶ月の役目を果たした、何とも不運なホットハッチだったのではないでしょうか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)