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■コロナからのイメージチェンジを図った2代目
1972(昭和47)年1月29日、トヨタ「マークII」の2代目となる「コロナマークII」がデビューしました。
初代「コロナマークII」は、高級車「クラウン」と中級車「トヨペットコロナ」の中間を狙って登場。2代目はボディを大型化かつスポーティにして、コロナからの脱皮を図りました。
●コロナの上級モデルとしてコロナマークII誕生
コロナマークIIの源流であるトヨペットコロナが誕生したのは1957年のこと。その後コロナは、11代目の2001年まで販売されたトヨタを代表する大衆セダンです。
コロナは、日産自動車の「ダットサン(1959年からはブルーバード)」に対抗するモデルとしてあり、長期にわたって『BC(Bluebird-Corona)戦争』と呼ばれたライバル関係が続きました。
1960年代も後半になると、クルマには高級感が求められるようになり、それに対応するために新たに開発されたのが、1968年にデビューしたコロナの上級版・コロナマークIIでした。
コロナマークIIは、クラウンとコロナの中間に位置づけられ、エンジンは1.6Lと1.9L直4 SOHCを搭載。4ドアセダンと2ドアハードトップの他、バンやワゴンなど、多彩なバリエーションが設定されました。
コロナマークIIは、ライバルの日産「ローレル」などを押しのけて、着実にシェアを伸ばしていきました。
●スカイライン似の上級パーソナルカーに変貌した2代目
初代からフルモデルチェンジした2代目は、日産の「スカイライン」を意識して、先代よりも一回り大きく、全高は15mm低くなり、大型化かつスポーティに変貌しました。
先代同様、4ドアセダンと2ドアハードトップが用意されましたが、標準グレードのパワートレインは、2.0L直4 SOHCと4速MTと3速ATの組み合わせで、駆動方式はFR。
トップグレードには、クラウン用の2.0L直6 SOHCエンジンが搭載され、4気筒搭載車よりもボンネットを50mm延ばし、インテリアも木目調にするなど、ワンランク上の上質感が魅力でした。
2代目コロナマークIIは、コロナ上級版としての位置づけでなく、完全に独立した上級パーソナルカーとしてのポジションを獲得して、新たなマークIIというモデルの存在感をアピールしたのです。
●その後、ハイソカーブームの立役者になったマークII
2代目の後を継いだ3代目は、スポーティな雰囲気から一転して高級感漂うヨーロピアンな雰囲気に。そして、4代目が登場した1980年代は、日本のモータリゼーションが成熟期を迎えており、市場が求めたのは、上流意識を満足させる高性能のアッパーミドルクラスのクルマでした。
4代目のスタイリッシュなピラードレスハードトップとゴージャスな内装が、若者から中年層までを魅了し、ハイソカーブームの火付け役となりました。
その後の5代目は、月販台数が1万台を超える大ヒットモデルに、6代目はバブルの勢いに乗って、さらに5代目を上回る販売を記録。今も語り継がれる、ハイソカーブームを牽引したのです。
2代目マークIIは、大人気となった4代目や5代目、6代目に比べれば印象は強くありませんが、初代のコロナ色の強いイメージを一掃して、マークIIとして独自の路線を歩み始めた貴重なモデルではないでしょうか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)