アルピーヌ A110史上最も過激なモデル「A110R」の実車が初めて一般公開に!【東京オートサロン2023】

■価格1500万円の激辛A110

東京オートサロン2023のアルピーヌブース。A110Rのフロントビュー
東京オートサロン2023のアルピーヌブースに展示されたA110R

「ラインナップの中で、最もラディカル(過激)なモデルです」とアルピーヌが謳うA110の高性能仕様「A110R」が、東京オートサロン2023に登場。

本車両が一般へ公開されるのは、今回が初。年間生産台数が限られるモデルゆえ、実車にお目にかかれる機会は本当にまれなんです。

東京オートサロン2023のアルピーヌブース。A110Rのルーフ
A110Rはカーボン材の多用によりわずか1090kgの車重を実現。空力性能向上により最高速も285km/hに

ルーフ、ボンネット、リヤスポイラー、リヤフード、そしてホイールまでカーボン仕様の「A110R」は、アルピーヌブースの前を通る人の足を引き止めてしまうほど、濃密なオーラを放っています。

「うわ、すごい」
「え。これ純正なの?」

なにしろ、ここは東京オートサロン。カーボンをここまで贅沢に使った車両を目の当たりにすれば、カスタムカーだと思ったとしても不思議ではありません。

もちろんA110Rは純正も純正。アルピーヌが正規で取り扱う、立派なカタログモデルなのです。

●最高時速285km/h、車重は1090kg

東京オートサロン2023のアルピーヌブース。A110Rのリヤウイング
A110Rはスワンネックタイプのリヤウィングを装備する

A110Rは、F1をはじめとするモータースポーツから得た知見を最大限盛り込んだ高性能仕様。スワンネックタイプのリヤスポイラーマウントや、エアインテーク付きフロントボンネットなどを採用し、空力性能を徹底的に追求しています。

結果、最高時速は285km/hに達しているんです!(A110 GTは250km/h、A110Sは260km/h)

東京オートサロン2023のアルピーヌブース。A110Rのホイール
A110Rはホイールもフルカーボン仕様

車高はA110S比でマイナス10mm。ロール剛性が高められた専用シャシーには、さらに10mmローダウンできる車高調整機能と減衰力調整機能がついたダンパーが組み合わされています。

また、前輪ブレーキを冷却するためのクーリングダクトを装備することで、高負荷下にも安定した制動能力を発揮できるよう配慮しています。

キャビンには、6点式ハーネスを備えたSabelt製フルカーボンモノコックバケットシートを搭載。車内外にカーボン材を積極採用することで、車重はエントリーモデル比マイナス20kgの1090kgまで軽量化されています。

●2023年もアルピーヌの限定モデルが上陸予定

東京オートサロン2023のアルピーヌブース。A110Rのフロントビュー
現時点でA110Rの実車を間近で見られるのはとても貴重

これだけカーボンを使って、シャシーも専用仕上げ、かつキャビンはレース仕様でありながら、1500万円というのはかなり挑戦的な価格設定です。

A110Rはカタログモデルながら、年間に生産できる台数が限られるため、日本への導入台数に応じて期間限定で注文を受け付ける販売方式を取っています。

アルピーヌ・ジャポンの小川CEOは、プレスカンファレンスで次のように説明しました。

「アルピーヌの販売は引き続き好調です。2022年の販売台数は、対前年比140%アップの238台を記録。年間の受注台数は350台超となり、前年のボリュームの2倍までアップしました」。

アルピーヌ公式アイウェア「ALPINE EYEWEAR」の展示イメージ
アルピーヌブースには公式アイウェア「ALPINE EYEWEAR」の展示も

さらに、2023年もさらなる次なる限定モデルを投入することを明らかにしました。

アルピーヌ公式アイウェア「ALPINE EYEWEAR」の製品イメージ
アルピーヌ公式アイウェア「ALPINE EYEWEAR」の製品イメージ

もうひとつ、アルピーヌブースでちょっと気になったのが、A110Rの後ろに展示されていたアイウェアのコレクション。独特の造形とカラーリングが目を引くサングラスやメガネたちは、A110のボディラインをイメージしてデザインされたものだそう。

これらの製品は、「ALPINE EYEWEAR」の名で、2023年春に日本で発売されるそうです。愛車のA110に常備しておく一品として、こんなにふさわしいフランス製アイウェアは他にないかもしれません。

三代 やよい

この記事の著者

三代やよい 近影

三代やよい

自動車メーカー勤務後、編集・ライティング業に転身。メカ好きが高じて、クルマ、オートバイ、ロボット、船、航空機、鉄道などのライティングを生業に。乗り継いできた愛車は9割MT。ホットハッチとライトウェイトオープンスポーツに惹かれる体質。
生来の歴女ゆえ、名車のヒストリーを掘り起こすのが個人的趣味。
続きを見る
閉じる