■モーター走行は、省燃費性能に寄与するだけでなく、オフロード性能も引き上げる
ジープ最強の悪路走破性を誇るラングラーにも、電動化の波が押し寄せています。
ラングラーで最もハードな仕様である「Wrangler Unlimited Rubicon(ラングラー・アンリミテッド・ルビコン)」に、プラグインハイブリッドモデルの「Wrangler Unlimited Rubicon 4xe(フォー・バイ・イー)」が設定され、2022年12月14日(水)から受注が開始されました。
「ラングラー・アンリミテッド・ルビコン 4xe」は、約42kmのモーター走行が可能なだけでなく、オフロード走行のポテンシャルの向上も果たしていて、高効率かつスムーズな走りを両立。本格オフローダーの新たな可能性を開拓するモデルとして位置づけられています。
搭載されるパワートレーンは、2.0L直列4気筒ターボエンジンに、2モーター・350Vのリチウムイオンバッテリーに、8速ATが組み合わされています。エンジンにマウントされる「P1」モーターは、滑らかにエンジンを始動させることで燃費向上に寄与しているほか、バッテリーに供給するための電気も生み出します。
トランスミッションの前部には、「P2」モーター(高電圧モータージェネレーター)が配置されています。エンジンと「P2」モーターは、2つのクラッチ(バイナリークラッチ)で制御され、動力を伝達するスイッチが開いた状態で100%電動駆動のEV走行モード、閉じるとエンジンとモーターの出力を融合。
「P2」モーターとトランスミッションの間に備わるもうひとつのクラッチは、トランスミッションとの噛み合いが調整され、ドライバビリティと効率性を向上。
●状況に応じて3つの走行モードから選択できる
また、走行モードは3つ用意されます。
「HYBRID(ハイブリッド)」モードは、走行状況や操作に応じて、モーターとエンジンの作動状況を自動で最適化。バッテリーに電気が十分に蓄えられた状態では、モーター駆動(EV走行)が優先されますが、充電レベルが低下するとエンジンとモーターを併用したハイブリッド走行モードに切り替わります。
100%モーター走行の「ELECTRIC(エレクトリック)モード」は、満充電の状態では、約42kmを電気のみで走行できます。通常はモーターで駆動し、充電レベルが最低限になった場合やアクセルペダルを強く踏み込むとエンジンが始動。
バッテリーの充電レベルを維持する「e-SAVEモード」も備わります。充電レベルが十分な状態でもエンジン主体で走行し、必要な状況でEV走行が可能になります。タッチパネルモニター内の「ハイブリッド エレクトリック ページ」から、「バッテリー節約」と「バッテリー充電」のいずれかを選択することができます。
ルビコン 4xeのパワートレーンは、省燃費性能だけでなく、オフロード性能をさらに引き上げます。
電気モーターは、発進と同時に最大トルクを発生する特性を持つなど、オフロード性能の向上にも寄与。大きな石を乗り超えるようなシーンでも、エンジン回転数を上げることなく、巨大なトルクを瞬時に生み出すことができます。急勾配を駆け上がるクライミングや、悪路を低速で進む場面においても威力を発揮するそうです。
また、プラグインハイブリッドシステムの充電は、家庭用200Vの普通充電に対応。減速時や制動時に働く回生ブレーキは、4×2走行時には駆動輪である後輪から、4×4走行時には4輪すべてからの制動エネルギーがバッテリーに供給されます。
さらに、エネルギーの回収を最大化して発電力を高める「Max Regen」機能を作動させることも可能。また、高電圧電子部品は、シーリング加工や防水処理が施されていて、ガソリンエンジン車と同等の30インチ(76cm)という渡河性能が確保されます。
駆動を担うリチウムイオンバッテリーは、後席下部に配置され、重量配分を最適化。外部からの衝撃による損傷リスクの低減も図られています。バッテリーには冷却回路が備えられ、常に最適な温度に保たれています。
エクステリアは、エンジンフード、ボディサイドの「TRAIL RATED」バッジ、リヤのエンブレムにブルーのアクセントカラーが配される同グレードならではの差別化が盛り込まれています。
さらに、インテリアにもブルーステッチが用意され、特別感が演出されています。
設定されるボディカラーは、「ブラック・クリアコート」「ブライトホワイト・クリアコート」「アール・クリアコート」の3色で、内装はいずれもブラックになります。
省燃費性能とモーターによるスムーズな走りが得られるラングラー・アンリミテッド・ルビコン 4xeは、ジープ最強の悪路走破性を高める欲張りなモデルでもあります。
●価格:1030万円(左ハンドルのみ)
(塚田 勝弘)