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■ボディや足まわりを強化し、ハンドリング、乗り心地の良さを両立
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2022年11月29日(火)、新型アクアに「GR SPORT」を追加、発売しました。モータースポーツ由来であるスポーツカーシリーズ「GR」の走りや世界観の裾野を広げることを目指した「GR SPORT」に、新たな選択肢が加わったことになります。
先代アクアにも設定されていた「GR SPORT」は、スポーツコンバージョン車シリーズとして、アクア「G’s」からスポーティな走りを受け継ぎ、2017年に誕生しました。スポーツコンバージョン仕様としてより多くのユーザーから支持され、ロング&ベストセラーモデル(アクア G’sとアクア GR SPORTの合計国内販売実績)として好評を得ていたそう。
2代目となる新型「アクア GR SPORT」は、従来と同様に「意のままに操れる歓び」というコンセプトを掲げ、先代アクア GR SPORTよりもハンドリング、フットワークが磨き上げられ、加速性能も向上しています。
また、TGRが目指す「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」で培ったノウハウ、知見を活用し、ボディ剛性の強化、足まわりやパワーステアリング制御のチューニングにより走りをブラッシュアップ。ベース車であるアクアの乗り心地の良さを継承しつつ、様々な路面に追従するように足まわりも磨き上げられたそう。
なお、開発には「GR」シリーズの開発ドライバーも携わり、「GR」の走りの味を「GR SPORT」でも継承することを目指したそう。
強化された走りのポイントをチェックします。
ベースとなるアクアの高いボディ剛性をより高めるため、フロア下2ヵ所にブレースを、さらにリヤバンパーリンフォースを追加することで、操縦安定性の向上とフラットな乗り心地を実現したそう。
足まわりでは、フロントサスペンションのアブソーバー特性やコイルスプリングの専用チューニングが施されています。スタビライザーの特性変更、専用バウンドストッパーの採用やロアアームのブッシュの特性変更などにより、優れた応答性を達成。
適切な車両姿勢やコントロール性能、質感の高い乗り心地を高次元で成し遂げたとしています。
リヤサスペンションはベース車であるアクアのトーションビームサスペンションを踏襲しながら、「GR SPORT」専用にコイルスプリングやショックアブソーバーがチューニングされています。さらに、締結ボルトの変更などにより、優れたハンドリング、質感の高い乗り心地の両立が図られています。
そのほか、電動パワーステアリング(EPS)も専用チューニングが施され、操舵フィールが向上し、クルマとの一体感のある走りに昇華。さらに、「POWER+モード」では、よりスポーティな手応えを感じるEPS特性により、さらなるスポーツフィールを体感できるとしています。
●専用フロントマスクを強調する「ファンクショナルマトリックスグリル」
エクステリアもひと目でスポーティ仕様と分かる仕立てになっています。「ファンクショナルマトリックスグリル」、専用バンパーの採用や、ワイド&ローのスタンスの専用デザインにより、走りや空力性能の向上に寄与する機能美が追求されています。
具体的には、フロントバンパー&ロア加飾バーの採用がトピックス。フロントバンパーの形状がベース車から変更され、フロントタイヤまわりの空気流を整流化し、後方に流すことで空気抵抗を低減。さらに、バンパーサイドまで回り込んだロア加飾バーを「ファンクショナルマトリックスグリル」と融合させることで、機能的で上質なデザインに仕立てられています。
専用となる「ファンクショナルマトリックスグリル」の採用もトピックス。
六角形のメッシュ形状は「G」がモチーフになっていて、車両中心に対してシンメトリーに配置されています。Gモチーフの三角形部分を光が反射する角度で造形することで、立体感も醸し出しています。
さらに、専用ロッカーモールディング(カラード)を装備。ドア下端のロッカー部を張り出させてボディサイドの厚みを持たせ、低重心なスポーティさを醸し出しています。
タイヤ&アルミホイールには、205/45R17タイヤ、切削光輝+ブラック塗装、センターオーナメント付専用17インチアルミホイールが採用されています。
アルミホイールは、まっすぐ伸びやかなスポークが特徴のスポーティなデザインになっています。タイヤは、ブリヂストン POTENZA RE050Aで、グリップとコーナリング性能を高次元で実現。また、フロントブレーキキャリパーは、GRロゴ入りの赤色塗装でスポーティなイメージが強化されています。
●専用スポーティシート、専用本革3本スポークステアリングを装備
一方のインテリアは、身体をしっかりとサポートしてくれるスポーティシート(GRロゴ付)が目を惹きます。
専用シート表皮(エアヌバック+合成皮革)で特別感も醸し出しています。天井や周辺部品をブラックで統一したコーディネイトも特徴。そのほか、専用本革3本スポークステアリングホイール(GRロゴ付)、アルミペダル、専用コンソールオーナメントなども用意されています。グロスを抑えたダークメタリック塗装、レジスターノブやインサイドドアハンドル(フロント)にはシルバー塗装が施されています。
新型アクア GR SPORTの投入により、「GR」譲りの知見が反映された「GR SPORT」の国内ラインナップは、ヤリス クロス GR SPORT、ハイラックス GR SPORT、ランドクルーザー GR SPORT、コペン GR SPORT、C-HR GR SPORTの計6モデルになっています。
●価格:259万5000円
(塚田 勝弘)