ダイハツ「テリオスキッド」がデビュー。テリオスの弟分となる軽オフロード車【今日は何の日?10月6日】

■コンパクト・オフロード車テリオスの軽自動車版として登場

1998(平成10)年10月6日、前年に登場したコンパクト・オフロード車の「テリオス」の軽自動車版として、ダイハツの「テリオスキッド」がデビュー。当時人気を獲得していたスズキの「ジムニー」と三菱の「パジェロミニ」に対抗する形で登場しましたが、2強の座を脅かすことはできませんでした。

1998年にデビューしたテリオスキッド (C)Creatuve Commons
1998年にデビューしたテリオスキッド (C)Creatuve Commons

●兄貴分テリオスはユーティリティに優れたコンパクト・オフロード車

テリオスキッドがデビューする前年1997年に、それまでダイハツのオフロード車「ラガー」や「ロッキー」の後継車として登場したのが、コンパクト・オフロードのテリオスです。

1997年に誕生したテリオス1.3L。コンパトオフロード車 (C)Creative Commons
1997年に誕生したテリオス1.3L。コンパトオフロード車 (C)Creative Commons

多くのコンパクト・オフロード車が3ドアだったのに対して、5ドアのテリオスは使いやすくユーティリティで優れているのが特徴でした。

パワートレインは、1.3L直4 OHCと5MTおよび4ATの組み合わせ。駆動方式は、本格的なメカニカルセンターデフ付きのフルタイム4WDを採用し、優れた悪路走破性を発揮。決してヒットモデルではありませんでしたが、使い勝手の良いオフロード車として評価されました。

●ジムニーとパジェロミニに対抗してダイハツが放ったテリオスキッド

テリオスのデビューの翌年1998年、軽自動車の規格変更に対応して登場したテリオスキッド。

1998年にデビューした2代目パジェロミニ
1998年にデビューした2代目パジェロミニ

ボディは、モノコックにラダーフレームを組み合わせた“ビルトインラダーフレーム式”を採用。オフロード車らしく、大径タイヤを履いて最低地上高175mmを確保、ロングホイールベースの5ドアによって、テリオス同様に悪路走破性とユーティリティが両立されました。

パワートレインは、660cc直3 SOHCインタークーラー付きターボエンジンと、5MTおよび4ATの組み合わせ。駆動方式は、テリオス同様のメカニカルセンターデフ付きのフルタイム4WDとFRが用意されました。

現在のクロスオーバーSUV的な要素を持ったテリオスキッドでしたが、ジムニーとパジェロミニの2強を脅かすことはできませんでした。一定の人気を獲得しつつも、2012年に1代限りで生産を終了しました。

●テリオスキッド、パジェロミニ、ジムニーの中で、特に高いオフロード性能を持つジムニー

1998年にデビューした3代目ジムニー
1998年にデビューした3代目ジムニー

軽のオフロード車として、テリオスキッド、パジェロミニは生産を終了し、現在はジムニーの独壇場が続いています。

3つのモデルを比較すると、エンジンはパジェロミニが4気筒、テリオスキッドとジムニーは3気筒ですが、いずれもターボエンジンで性能に大差ありません。

ボディ構造は、強度に優れる“ラダーフレーム”のジムニーに対して、テリオスキッドとパジェロミニは“ビルトインラダーフレーム式”を採用。さらにジムニーが悪路走行で威力を発揮する前後リジッドアクスルに対して、テリオスキッドとパジェロミニはフロントがストラット式の独立懸架です。

以上のように、ジムニーは3車の中で最もオフロード性能に徹していることが分かります。これが、オフロードを楽しむユーザーにとっては、大きな魅力となっているのです。


テリオスキッドもパジェロミニも、利便性や乗用車テイストを加味したことで、オフロード走行を好むヘビーユーザーから敬遠されたのかもしれません。一方で、このところの登録車では乗用車テイストのクロスオーバーSUVが大人気ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
続きを見る
閉じる