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ウェット路面でフォーミュラカーを走らせるのはほんとに大変。 ~両角岳彦のデータと観察で“読み解く”自動車競争【スーパーフォーミュラ2022年第7戦・モビリティリゾートもてぎ】 | JRP-SF2022rd7 競争開始・直後 | 2枚目の写真(全9枚)
4周目、「戦闘開始」となってポールポジションの山本尚貴を先頭にもてぎロードコースの1コーナーにアプローチするSF19群。山本は最終コーナーから自分のペースで加速、そのすぐ後ろの数台もグリッド・ポジションをキープしているが、後方の水煙の中では少しでも前に出ようとするせめぎ合いが始まっている。
最新のトップフォーミュラがウェット路面を本気の「レースペース」で走り始めると、タイヤが巻き上げる水飛沫がフロア下面と前後のウィングが生み出す強烈な跳ね上げ気流と渦(これがダウンフォースを生んでいる)に巻き込まれ、細かな水滴に千切られながら、走り去る車両の背後に密度濃く拡散して「濃霧のカーテン」を生み出す。この写真でも先頭を走る山本車が巻き上げる白煙の中に“すぐ後ろ”で追うフェネストラズ車が走っているのだが、ロールバーのOTS表示LEDの緑の光列でやっと見えるだけ。逆に後方のドライバーの視界は白い霧に包まれ、先行車の後尾中央にある赤LEDのレインライトが見えるかどうか、という状況。
急に路面を濡らし始めた雨に、セーフティカー先導スタートとなった第7戦。一般車としてはけっこう速い100+km/hでの集団走行でも、剥き出しで回転するタイヤ4本×21台が巻き上げる水飛沫はこのくらい。
久々の「ポール・トゥー・ウィン」を飾り、パルク・フェルメ(規則で定められた車両保管)に停めたマシンから降り立った山本尚貴をチームオーナーの中嶋悟さんが迎える。山本をチームに迎えて2年目の「初勝利」。右手奥で見守っているチームウェアの人物が加藤祐樹エンジニア。
グリッド3番手につけた野尻車もタイヤ交換と合わせて、リアはメカニックの動きを見るとプッシュロッド長、すなわち車高を変更。フロントでもロール剛性の調節などを行っているのを目撃。マシンの外装表面に水滴が付き、車両直下の路面はまだ乾いているのに周辺はもう濡れているのがわかるだろうか。そのくらい急な降雨だったのだ。(撮影:筆者)
こちらではリア上面カウルを持ち上げ、メカニックの手はT字形の部品、つまり両端が逆方向に動くと下から伸びる軸が捻れる構造のアンチロールバーに掛かっている。タイヤの摩擦力が弱まるウェット路面走行では、車体をより柔らかく動かし、タイヤへの荷重変動を穏やかにするためにロール剛性は低めにするのが基本。(撮影:筆者)
スターティンググリッドにマシンを着けて待つ中で突然(予報どおりに、だったが)落ちてきた雨。「ウェットレース」が宣言されて、メカニックたちがグリッド脇に運び込んであったウェットタイヤを、ここまで履かせていたドライタイヤに交換を急ぐ。その中で、少しでもウェット路面に合わせた脚の動き方、タイヤの踏ん張り方にしようと、この場所と時間の中で可能な「セッティング変更」を行う車両も。38坪井車はリアのアップライト締結ボルトを緩めて後ろ側にシム(薄板)を追加。ということはイニシャル・トーインをわずかに増やした、はず。(撮影:筆者)
優勝した山本が毎周、計時ラインを通過した瞬間を基準に、他の20車がどのくらいの差で走っていたか、を整理した「ギャップチャート」。各車の毎周の順位とそれぞれのタイム差が見渡せる。さすがにフルウェット路面で視界も限られ、タイヤが一気に滑ってしまうギリギリの「エッジ」でコントロールするドライビングが求められる状況では、順位変動は少なく、各車・者が走れるペースの差によって徐々に間隔が広がってゆくのが見てとれる。しかしSCが入って車速が下がり時間間隔が一気に詰まったところからの競争再開では、視界もタイヤ・グリップも不安定な中でも並び掛け、攻め・守りのドライビングが展開されたことが、各車の線の接近、交差(攻防で順位が入れ替わった)に現れている。
山本以下、決勝レースで10位までに入ったドライバーたちの37周・周回毎のラップタイム推移を追ったグラフ。SC先導走行終了・先頭開始から最初の5,6周、後半でも平川車回収のSC先導走行が明けてから、山本のペースが他を上回っているのがはっきりわかる。水膜の厚いウェット路面でのレースでは、先頭を走るメリットはこんなに大きい、とも言える。2番手をキープしたフェネストラズは、タイヤが「フレッシュ」でブロックのエッジがシャープな状態では速いペースで走れているが、タイヤの消耗とともにペースが上がらなくなったように見受ける。野尻は前車との間隔など状況が整えば、やはりウェット路面でも速いが、この日は2年連続チャンピオンに向けてリスク・マネージメントに徹していたような。
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