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■タイプR初のVTECターボ搭載で走りを極めた
2015(平成27)年9月30日、ホンダは10月に正式発表予定の「シビックタイプR」(FK2型)に関する情報をホームページで先行公開しました。
新型シビックタイプRは、新開発の2.0L VTECターボエンジンを搭載して、FF最速の走りを披露しました。
●ホンダのスポーツスピリットを凝縮したタイプRの誕生
シビックタイプRは、フラッグシップのミッドスポーツ「NSX」、FFスペシャリティカー「インテグラ」に続く、ホンダが目指した究極のスポーツモデルの第3弾として、1997年に登場しました。
タイプRは、それまでのスポーツモデルであるシビック「SiR」(EK9型)をベースにチューンナップされ、一般路はもちろんのこと、サーキットでも他を圧倒するパワフルな走りを目指しました。
心臓部となるエンジンは、1.6L直4 DOHCのVTECエンジンで、高圧縮比や各部の軽量化、フリクション低減、吸排気抵抗の低減などを施し、NA(無過給)ながら最高出力185PS/8200rpm・最大トルク16.3kgm/7500rpmを生み出しました。
車高を下げた低重心化やサスペンションのハードチューニング、ブレーキ力の強化、ボディ剛性の強化、ABSのスポーツセッティング、専用タイヤなどを装備して、強固な足回りと優れた操縦安定性を確保。その後、2001年、2007年と世代進化し続けました。
●日本では限定750台で抽選販売となった4代目シビックタイプR
2015年のこの日、ホンダはWebサイトで新世代シビックタイプRの全貌を公開。発売は、日本では12月7日から始まりました。最大の特徴はエンジンが歴代初のターボエンジンになったこと。そのほかにも走行性能を高める様々な技術が投入されていました。
新開発のエンジンは、2.0L直4 DOHC VTECターボで、最高出力310PS/6500rpm・最大トルク40.8kgm/2500~4500rpmを発揮。先代のエンジンに対して、最高出力+54%・最大トルク+107%とパワーアップ、最高速度が236km/hから270km/hへと向上し、4代目タイプRがいかに速いかがよく分かります。
このハイパワーエンジンに対する車体側も、9代目シビックのボディをベースに剛性強化やエアロパーツ採用による空力改善、サスペンションやブレーキの強化、ステアリング機構など専用部品で構成されました。
英国で製造されたこの仕様のシビックタイプRは、国内では750台の限定販売となり、10月28日~11月23日の予約期間で申し込みが限定台数の10倍を超えたため、販売は抽選になりました。
●FF最速の称号を獲得したシビックタイプR
シビックタイプRは、日本発売前の2015年3月に、ドイツのニュルブルクリンク北コースでタイムアタックを実施。タイムは、それまでのルノー「メガーヌR.S. 272トロフィーR」の記録を4秒上回るFF量産車最速となる7分50秒63を記録。限定販売台数の750台は、このニュルブルクリンクのタイムに由来しています。
2017年には次なる世代のシビックタイプRが7分43秒8で記録を更新しましたが、2019年にメガーヌR.S. 272トロフィーRが7分40秒1で再びFF最速の座に返り咲きました。現在もその記録は破られていません。
2022年9月2日に新型のシビックタイプRが発売されました。鈴鹿サーキットではFF最速の称号を得ていますが、再びニュルブルクリンクでFF最速を奪回できるか注目ですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)