1966年のポルシェ911でケン・ブロックが登場【パイクスピーク第100回記念大会】

■車検場に現れたケン・ブロックのマシンには常に人だかりが

Tec-InspectionDay
車両がトレーラーから降ろされるとさっそく人垣が

今年の大会で記念すべき100回目の大会となるパイクスピーク インターナショナル ヒルクライム(通称パイクスピーク)。1916年に初開催し、インディアナポリス500マイルレース(インディ500)に次ぐ、世界で2番目に長い歴史を持つレースといわれています。

このヒルクライム・イベントは、アメリカ中央部のコロラド州にあるパイクスピークという山に取り付けられた登山道(2012年に全面舗装されています)を使用し、その中腹となる標高2862mのスタート地点から、標高4301mの頂上めがけて、およそ20kmのワインディングを全開で駆け上がって、そのタイムを競うというものです。

Ken Block
世界的ラリードライバーが満を持してパイクスピークへ

その記念大会の目玉ともいえるのが、ケン・ブロック選手の参戦です。以前、1965年式フォード・マスタングを使用してこのコースを走行した「Climbkhana: Pikes Peak」でその走りを披露していますが、そちらはタイムを狙ったものではなく、今回のこの大会参戦が本格的なチャレンジとなります。

●ポルシェ911ツインターボ4WDは1500ps

BBI-SVRSR(Hoonipigasus)
1971年のル・マン出場のポルシェ917のPink Pigをオマージュしたデザイン

この挑戦のために用意されたのは、1966年式ポルシェ911。このパイクスピークで実績のあるBBi Autosportがその参戦チームとなるフーニガン・レーシング・ディビジョンと共同で開発した一台です。

ポルシェ911のSVRSRをベースにカーボンボディにツインターボ・エンジンを搭載し、1500馬力を発生する4WDモデルで、その名は「BBI-SVRSR(Hoonipigasus)」となります。参戦クラスは市販車改造クラスである「パイクスピーク・オープン」クラスに参戦します。

BBI-SVRSR(Hoonipigasus)
カーボン地にもボディと同様のデザインを施している

そのピンクのカラーリングは、ポルシェがル・マンに参戦し、その後は象徴的なモデルとして存在としている「Pink Pig」をモチーフにしたデザインです。またボディには、この企画に参画している「モービル1」のペガサスも描かれています。

BBI-SVRSR(Hoonipigasus)
パイクスピーク特有の環境と路面に対応するために開発された「PROXES Slicks」を履く

レースウィーク初日となる6月20日(月)は車検日。その公開車検は、開催地の地元コロラドスプリングスのダウンタウンのはずれにあるザ・ブロードモア・ワールド・アリーナの駐車場で行なわれ、熱心なファンや地元の住民らが多数押しよせました。

8時半から始まった車検でしたが、10時半ごろ、会場にそのピンクのポルシェが下ろされると瞬く間に人垣ができ、その注目の高さがわかります。

BBI-SVRSR(Hoonipigasus)
ステアリング脇の操作パネルもPink Pigオマージュ仕様

パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは6月21日から4日間の練習走行および予選が行われ、26日に決勝となります。

予選はコースを3つに分けた内の一番標高の低いロアーセクションでのベストタイムによって決められます。この練習走行および予選は全参加者が3つのグループに分けられて走行しており、この43号車がロアーセクションでのタイムアタックを行うのは23日(木)の予定です。ケン・ブロック選手は、このマシンに3週間前に初めて乗ったということですが、まずはこの予選の走りに注目したいですね。

青山 義明

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青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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