■ホンダが注力するFC(燃料電池)の最前線を披露
このほどホンダは、2022年3月16日(水)から18日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「第18回 FC EXPO 水素・燃料電池展」の出展概要を発表しました。
ホンダは「Hondaハート 難問を愛そう」というコピーを掲げてCMを展開中です。2050年への宣言として「Hondaは、全活動のCO2排出量を、実質ゼロにする」とアピールしています。
CMでは、バッテリーEVのHonda eが登場しています。カーボンニュートラルの実現には、バッテリーEVのみでは困難でしょう。
同社は、電動モビリティとエネルギーサービスをつなぎ、「自由な移動の提供」と「再生可能エネルギーの利用拡大」に貢献する「Honda eMaaS(イーマース)」をコンセプトに掲げています。
今回の「FC EXPO」では、同コンセプトの実現に向けた手法の一つである「FC(燃料電池)システムの応用、展開」について展示。これまでの燃料電池(FC)の取り組みについて紹介されるだけでなく、今後のさまざまな分野、領域へのFC技術の活用の広がりも提案するとしています。
主な展示物をチェックすると、ゼネラルモーターズ(GM)とホンダで共同開発されている「FCパワーユニットプロトタイプ」に注目。水素社会実現に向けたFCの本格普及を目指し、低コスト化を進めて生産効率を向上。
なお、モビリティ領域だけでなく、さまざまな分野、領域に適用させるため高い信頼性の確保が盛り込まれています。
FCを使った可搬型電源の「FC可搬型電源コンセプト」は、FCV「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」のFCパワーユニットや、車載向け水素タンクを活用し、パッケージ化した自立型電源供給ユニット。多様な環境、場所で生活に必要な電力をカーボンニュートラルで提供できるそうです。
「拡張型FCシステム」は、FCスタックを複数組み合わせたシステムのコンセプトが映像で紹介されます。FCをクルマだけでなく、さまざまなモビリティの動力源や建物などの電源としても使用可能。システムの組み合わせにより、多様な用途に合わせた出力を確保できます。
2020年よりいすゞ自動車と開発されているFC大型トラックは、カーボンニュートラルな幹線輸送を実現するFC大型トラック技術の確立に向けた共同研究の進捗状況が映像で紹介されます。
「循環型再生エネルギーシステム」も映像で解説されます。こちらは、同社独自開発の高圧水電解システムとFCシステムを組み合わせることで、水と太陽光を使い、継続的に酸素、水素、電気を製造できるシステムです。
(塚田 勝弘)