ホンダとソニーがEVを共同開発し、初期モデルはホンダが製造を担う

■ホンダとソニーが手を組んだ! 近未来のEV戦略に期待!!

2022年3月4日(金)、ホンダソニーによるEVの共同開発、販売というニュースが飛び込んできました。

それぞれの創業者、ホンダの本田宗一郎氏(左)とソニーの井深 大氏
それぞれの創業者、ホンダの本田宗一郎氏(左)とソニーの井深 大氏(右)

ホンダは、GMとEVや自動運転などの分野で提携していて、2024年中に「ホンダ」ブランドから北米市場にSUVのEV「PROLOGUE(プロローグ)」を発売するとアナウンス済みです。

ソニーグループ株式会社代表執行役会長 兼 社長 CEO吉田憲一郎(よしだけんいちろう)氏
ソニーグループ株式会社代表執行役会長 兼 社長 CEO吉田憲一郎(よしだけんいちろう)氏

一方のソニーも独自開発の「VISION-S」を2022年1月に開催された「CES2022」で披露したばかりです。「VISION-S」では、マグナ・シュタイヤーのプラットフォームが活用されているほか、多くのサプライヤーが参画しているようです。

ソニーはトヨタとコンセプトカーの「pod」を開発し、「東京モーターショー2001」に出展したところ大きな反響を呼んだこともあります。「pod」は、クルマを擬人化し、ドライバーの気持ちを察したクルマ自身の感情表現が可能など、ITを軸にクルマと人との新しい関係を提案する近未来カとして提案されていました。

今回、ソニーグループ(ソニー)とホンダは、新しい時代のモビリティとモビリティサービスの創造に向け、戦略的な提携に向けた協議、検討を進めることを合意。

本田技研工業株式会社 代表取締役社長 三部 敏宏(みべ としひろ)氏

両社で合弁会社の新会社を設立し、新会社を通じて、高付加価値のEVを共同開発するだけでなく、販売も手がけるとしています。

モビリティ向けサービスの提供と併せて、事業化していく意向を確認した、基本合意書を締結したそう。2022年中に新会社の設立を目指すとしています。

EVは内燃機関のクルマよりも参入障壁が低いという論調がありますが、テスラが長年苦労してきたことからも分かるように、製品化と黒字化には相当な困難が伴います。また、公道を走らせる以上、バッテリーを含めたトータルでの安全性確保も容易ではないはず。

ホンダからはクルマの開発力、車体製造の技術やアフターサービス運営の実績を持ち寄り、ソニーからはイメージング・センシング、通信、ネットワーク、各種エンタテインメント技術の開発、運営の実績を持ち寄るとしています。ユーザーや環境に寄り添い進化を続ける新しい時代のモビリティとサービスの実現を目指すと標榜しています。

ホンダ GM
ホンダはGMとEV、自動運転分野などで提携している

気になるのはいつ発売されるのかという点。EVの販売開始は、2025年を想定しているそうで、新会社はEV車両の企画、設計、開発、販売などを行うと想定しているそう。

製造設備は自ら保有せず、初期モデルはホンダの工場が製造を担うことを想定。また、モビリティ向けサービスプラットフォームは、ソニーが開発し、新会社に提供することを想定しているそうです。

長年、独創的なもの作りやアイディアを具現化してきた日本を代表する企業であるホンダとソニーがタッグを組み、どんなEVを提供してくれるのかが楽しみです。

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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