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■コロナ禍で新車発表会がオンライン中心に
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、四輪や二輪、そのほかプロダクトの発表会が大きく変わってきました。
従来、メディアを会場に招き新製品を発表することが一般的でしたが、オンラインでの配信を同時に行うケースが増えてきたため、読者の方も新車発表会を目にした方も多いのではないでしょうか。
新車発表会がデジタル化したことにより、CGを駆使した映像を流す演出が広がるなど、製品をアピールする表現方法が変化したわけですが、1月13日(木)に開催されたヤマハ発動機(以下、ヤマハ)の新型e-Bike(スポーツ電動アシスト自転車)発表会は、従来の手法でもなく昨今流行りのCGを駆使したものでもなく、非常に斬新なものでした。
●ヤマハe-Bike とFREAK’S STOREのコラボレーション
今回発表されたe-Bikeは、先日お伝えしたようにWABASH RT(ワバッシュ・アールティー)とCROSSCORE RC(クロスコア・アールシー)の2車種。
一般的な新車発表会といえば、まず開発担当者などによる製品説明からスタートすることが多いのですが、今回はトラベルライターの山下晃和さんを司会に製品開発に携わったプロジェクトリーダー、デザイナー、商品企画担当によるトークショーから始まりました。
その後、質疑応答などを経て行われたのは、アパレルブランド「FREAK’S STORE」とのコラボレーションについての発表。
新型e-BikeをベースにFREAK’S STOREプロデュースによるコンセプトモデルの製作(非売品)と、そのコンセプトモデルに合わせたアパレル展開(購入可能)を行うというのです。
そのコンセプトモデルの1台が、フードデリバリーをテーマに製作されたことで、架空のフードデリバリー会社「PINPON DASH(ピンポンダッシュ)」を設定。
このコラボではe-Bikeのコンセプトモデルこそ販売されませんが、スタッフが着用するユニフォームを販売するなどの展開が行われます。
一見、このコラボと新型e-Bikeの関連性が見えませんでしたが、オンオフともに楽しめる新型バイクの多様性を、実際に購入する40代以降のメインターゲットだけでなく、幅広い世代にアピールしたいとの戦略だとの話を聞くと、なるほどなと納得しました。
●発表会の締めはバンドのライブ!?
正直、ここまでは他の新車発表会でもあるものでしたが、発表会の最後に行われたのは3ピースバンド「kittone(きっとね)」によるライブ。
演奏こそ素晴らしいものでしたが、新型e-BikeにもFREAK’S STOREとのコラボにも関係していないバンドがなぜここで登場?との疑問を胸に発表会は終了したため、ヤマハの担当者に発表会の構成について質問しちゃいました。
今回の発表会についてのコンセプトは「e-Bikeを楽しむユーザーの利用シーンを再現した」とのこと。
そのシーンとは「野外フェス」。
一瞬、「え?」と聞き返すほどe-Bikeと野外フェスとの関連がイメージできませんでしたが、ユーザーのなかには会場までテントなどを積載したe-Bikeで向かいフェスを楽しむ方が多いのだとか。
そういえば、会場の後方にはテントなども展示してありましたが、なるほど野外フェスを再現したものだったのか…と、またまた納得。
また、野外フェスを再現すべくステージで熱唱したkittoneが所属するレーベルは、ヤマハグループ内のヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス。ヤマハ発動機とヤマハはお互い株式を所有する関係とはいえ、現在は異なる企業ですが、『ヤマハ』ブランドを展開する企業同士。
新型e-Bike同様、ヤマハブランドの多様性をアピールするには最適のゲストだったといえるでしょう。
(テヅカ・ツヨシ)