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■川畑選手のマシンも復調の兆し
緊急事態宣言が解除された直後の10月2日(土)~3日(日)、滋賀県の奥伊吹モーターパーク特設コースで、D1GP第7戦と第8戦が連続で開催されました。なお、第5戦と第6戦は延期になったため、まだ行われていません。
Team TOYOTIRES DRIFTは、GRスープラの川畑選手と、86の藤野選手の2台体制で参戦中。
ただ、このラウンドまで川畑選手のエンジンは頻繁にトラブルに見舞われてきました。本番は走ったものの本調子ではなかったことも多かったのです。しかし、さまざまな改良が功を奏して、トラブルの心配はかなり減らせた状態でこのラウンドに臨むことができました。
いっぽう藤野選手は、開幕戦での86投入以来、熟成を図っていますが、試したパーツが必ずしもいい結果に結びつくとはかぎらず、前戦の筑波から大きな仕様変更はない状態で奥伊吹入りしています。
●第7戦はベスト8進出ならず
土曜日の第7戦。まずは単走決勝です。川畑選手は117.1km/hというダントツの進入速度をマークしたものの、飛び込みの振りなどで高得点がとれず、13位で単走を通過。藤野選手も1本目を無難に決めましたが、2本目にヘアピンの角度が足りずに得点を更新できず、単走は11位にとどまりました。
追走トーナメントでは川畑選手が先に出走。180SXに乗る新人の目桑選手と対戦しました。加速力に勝る川畑選手のスープラは後追いとなる1本目、1コーナーから目桑選手をとらえ、インに入りましたが、目桑選手を押して大きく減点されてしまいます。2本目はいい走りで高得点をとりましたが逆転はできず、ベスト16敗退となってしまいました。
「(目桑選手に追いついたあと)サイドブレーキを引いて、タイヤを空転させて待とうと思ったんですが、トルクのない回転域を使ってしまって、思ったように空転させられませんでした」ということでした。
藤野選手は、BMWを駆る高橋選手と対戦。1本目は藤野選手が得意の後追いから近いドリフトを見せたものの、角度が浅かったせいか得点が今ひとつ伸びず、4ランクのアドバンテージにとどまります。2本目は高橋選手が接近ドリフトで+6のアドバンテージを獲得し、逆転負けしてしまいました。
●第8戦は藤野選手が準決勝で惜敗
翌日曜日は第8戦。コース設定は前日と同様です。単走決勝はこの日も川畑選手が先に出走しました。川畑選手は、前日よりもするどい振りや大きな角度をつけ97.84点をマーク。11位で危なげなく追走進出を決めました。いっぽう藤野選手は、練習走行では98点台も出していたものの、本番1本目に失敗したことでそこまでの点は出せず、13位で追走進出を決めました。
追走トーナメントでは、まず藤野選手がベスト16で松井選手に勝利します。いっぽう川畑選手は末永(直)選手と対戦。1本目の後追いでは1コーナーの奥で寄せ、その先も近いドリフトを見せてアドバンテージを獲得しましたが、いまひとつ得点は伸びませんでした。
じつはこの走行中にエンジンが不調をきたし、吹けなくなっていたのです。2本目もやはり川畑選手は得点が伸びず、末永(直)選手に逆転を許して敗退してしまいました。
藤野選手は、ベスト8でまたしても高橋選手と対戦。こんどはヘアピンで見事な接近ドリフトを見せて勝利。前日のリベンジを果たします。そして準決勝では前日の勝者・中村選手と対戦。1本目は藤野選手が後追いからきれいに中村選手に合わせましたが、2本目は中村選手にそれ以上の寄せを見せられて逆転され、4位に終わりました。
大会後、川畑選手は「最後は、追走の途中でエンジンがおかしくなっちゃったんで、思ったような走りはできなかったですね。でもクルマの調子はよくなりつつあるので、次はもっと元気な走りが見せられるといいですね」とコメント。
藤野選手は「この奥伊吹の前にエンジンが壊れて、載せ換えて、レスポンスだったりに関してはちょっと変わった部分はありました。今回いろいろクルマを見直す部分もわかってきたんで、もっとテストとかでクルマに乗って、自分が気持ちよく乗れるようにしたいですね。もう少しあの86に乗れば、もっといけるクルマになると思います」とのことでした。
次戦は10月末のオートポリス。川畑選手はバツグンの進入速度を見せてくれるはず。
藤野選手は昨年2戦連続単走優勝したサーキットでもあるので、大いに期待したいところです!
(まめ蔵)