目次
■歴代ランドクルーザーは国産車の中でも人気が高く値落ちしにくいモデル
2021年8月2日、トヨタ・ランドクルーザーは約14年振りにフルモデルチェンジを行い、300系と呼ばれるニューモデルへと世代交代を行いました。
新型ランドクルーザーはトヨタの“クルマ構造改革”であるTNGAに基づいたプラットフォームをはじめ、新開発のサスペンション、ダウンサイジングされた3.5L V型6気筒ツインターボガソリンエンジンと、3.3L V型6気筒ツインターボディーゼルエンジンを採用。
さらには「GR-SPORT」の設定など注目のポイントが多く、すでに納車待ちの期間が約4年ともいわれているヒットモデルとなっています。
クルマの世代交代にあたるフルモデルチェンジを行うと、旧型となったモデルの中古車相場は一般的には値落ちが進むものですが、国産車の中でも値落ちが進まない中古車の1台である200系のランドクルーザーの中古車相場は一体、どのような動きになっているのでしょうか。
●200系(2007年~)を詳しく紹介
まずは、200系ランドクルーザーをおさらいしましょう。
200系ランドクルーザーは2007年に登場。2009年4月に行った最初の一部改良で、搭載するエンジンが4.7LV8エンジンの2UZ-FE型から4.6LV8エンジンの1UR-FR型へと変更しました。同時にトランスミッションも5速ATから6速ATへと多段化され、燃費性能を向上させています。
200系ランドクルーザーは、2011年12月に1度目のマイナーチェンジを行います。内外装の変更と一部グレードを除いて、オフロードの走破性を向上させるマルチテレインセレクトなどを装備しました。
そして2015年8月に200系ランドクルーザーは2度目のマイナーチェンジを行い、内外装のデザインを大幅に変更。同時にミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた運転支援システム「トヨタセーフティセンスP(現在はトヨタセーフティセンス)」を全車に標準装備し、安全性を向上させています。
●200系ランドクルーザーの中古車事情
それでは、200系ランドクルーザーの最新の中古車事情を紹介しましょう。
現在、200系ランドクルーザーの中古車の流通台数は約217台で、中古車の平均価格は約578万円となっています。
直近3ヵ月の中古車の平均価格の推移を見てみると、3ヵ月前の2021年6月の時点が約450万円で、フルモデルチェンジ直前の7月末に最高値の約590万円まで値上がりしました。しかし現在ではやや落ち着きを見せて、約579万円となっています。
中古車の流通台数は3ヵ月前の時点では約145台で、こちらは右肩上がりで増加しています。流通している中古車を2007年~2011年に行った一度目のマイナーチェンジまでを前期型、1度目のマイナーチェンジかあら2015年の2度目のマイナーチェンジまでを中期型。そして2度目のマイナーチェンジ以降を後期型と分けると、前期型が約52台。中期型は約46台。そして後期型は114台となっています。
現在、200系ランドクルーザーの中古車の価格帯は約216万~約1250万円と新車時価格を超えるプライスの中古車も出回っているのが特徴です。
1000万円を超える中古車はドレスアップ済車となっていますが、そのほか800万円を超える中古車のほとんどはノーマル車となっています。
新車価格を超える中古車は、走行距離の少ない未使用中古車と思われがちですが、走行距離500km以下の2020年~2021年式という中古車は約8台しかなく、200系ランドクルーザーの人気の高さが窺えます。
中古車のグレード構成は最上級グレードのZX系が約125台と最も多く、AX Gセレクションが約44台。AX系が約39台となっています。200系ランドクルーザーの中古車は、様々な電子デバイスを装着した豪華仕様のZXが狙い目と言えるでしょう。
最初にも書きましたが、200系ランドクルーザーは人気が高く、買取価格が下がらないクルマです。
実際に世代交代となるフルモデルチェンジを行っても、中古車相場は値落ちどころか値上がり傾向となっています。値落ちするのを待っていると、良質な中古車はどんどんと無くなってしまうはず。
200系からの乗り換えユーザーもいるはずなので、200系ランドクルーザーの中古車の買い時は新型ランドクルーザーの新車デリバリーが本格的に始まったタイミングでしょう。
(文:萩原 文博/写真:トヨタ自動車・萩原 文博)