日本初のケーブルカー/グッドイヤー創業/乗用車テイストのトヨタ・ランクル60登場!【今日は何の日?8月29日】

■奈良の生駒山に日本初のケーブルカー

生駒山ケーブル
生駒山ケーブル

1918(大正7)年8月29日、大阪電気鉄道(現、近鉄)傘下の生駒鋼索鉄道が、奈良県生駒山の鳥居前駅~宝山寺駅間の約1km(標高差150m)を6分で連絡する日本初のケーブルカーの運行を始めました。大阪と奈良を結ぶ電車が開通したのを記念して建設され、現在も複線で2両が並行して走っています。日本のケーブルカーで傾斜が一番大きいのは東京の高尾山ケーブルで31度18分、一番長いのは比叡山ケーブルの約1.3kmです。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●米国のタイヤメーカー「グッドイヤー」創業

GOOD YEARの飛行船
GOOD YEARの飛行船

1898(明治31)年のこの日、米国オハイオ州のアクロンでタイヤメーカーの“GOODYEAR(グッドイヤー)”が創業しました。グッドイヤーの会社名は、発明家チャールズ・グッドイヤーにちなんでおり、ゴムに硫黄を加えて加熱することで弾性限界を飛躍的に向上させる加硫法を発明した人物です。創立後に、米国では自転車ブームやモータリゼーションが起こり、グッドイヤーは創立30年で世界最大のタイヤメーカーに成長しました。ちなみに、石橋正二郎がブリヂストンタイヤを設立したのは1931年のこと、また現在自動車用タイヤのシェアトップはブリヂストン、2位はミシュラン、3位がグッドイヤーです。

●ランクルに乗用車テイストの60系登場!

1980(昭和55)年のこの日、トヨタが誇る本格4輪駆動車の「ランドクルーザー(ランクル)60系」がデビューしました。

1980年発売の60系ランクル
1980年発売の60系ランクル
1980年発売の60系ランクル(Rear View)
1980年発売の60系ランクル(Rear View)

ランクルの歴史は古く、そのルーツは戦後間もない1951年に米軍と警察予備隊(自衛隊の前身)の要請によって製造された「トヨタジープBJ」まで遡ります。その後、ジープという名前がウィリアム社の商標権に抵触することから、車名をランドクルーザーに改名して、1955年にランクル20・30系が登場。その後、1960年のランクル40系、1967年の50(55・56)系とバリエーションを増やし、1980年に56系の後継としてランクル60系が登場します。

1980年発売の60系ランクル(Interior)
1980年発売の60系ランクル(Interior)

ランクル60系は海外市場を意識したロングボディで、ショートの40系と並行して販売されました。搭載エンジンは56系から引き継いだ4.2Lガソリンエンジンに、新たに3.4Lディーゼルエンジンを追加。さらに1982年には、4.0L 6気筒ディーゼルエンジンと、後期モデルにはディーゼルターボやEFI(電子制御噴射弁)エンジン、イージードライブのための4速ATが追加されるなど、短期間にバリエーションを増やして進化しました。その他にも、ファブリックのセパレートシートやエアコン、パワーステアリング、電動シートやサンルーフといった乗用車のような快適かつ豪華な装備を一部モデルに採用しました。

1951年登場のトヨタジープ BJ型
1951年登場のトヨタジープ BJ型

60系ランクルは、本格オフロード指向のランクルとは異なり、乗用車テイストの4輪駆動車という方向性を打ち出しました。最初は商用車カテゴリーでしたが、モデル末期には正真正銘乗用車カテゴリーのモデルも登場、この流れで70系、そしてプラドへと進化したのです。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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