■紫外線を使って浮遊ウイルスを約11分で90%低減、約21分で99%低減
自動車メーカーはモノづくりの力を活かし、コロナ禍で欠かせないマスクやフェイスガード、感染者を送迎する車両や飛沫感染対策になるアイテムを開発、販売などをしています。以前お伝えしたように、ダイハツは紫外線を使った除菌装置を製作し、近隣の医療機関などに無償提供しています。
2021年3月26日、ダイハツは紫外線による除菌装置「ULTRABUSTER(ウルトラバスター)」を全国の販売会社に無償貸与すると発表しました。「ULTRABUSTER」は「くらしとクルマの研究所」が開発。同研究所は、顧客視点でモノづくりの本質を研究し、把握したニーズをいち早く具現化するためにダイハツ社内に設立されたものです。
「ULTRABUSTER」は、クルマの開発で培われたノウハウを活かし、空気の吸入口から出口までの構造を設計することで、静粛性などの性能向上を図ったとしています。社内の診療所や事務所、近隣の医療機関や販売会社で実証実験を行い、改良を重ねて実用化。ダイハツから医療従事者への感謝の気持ちを込め、2021年2月より近隣医療機関などに約250台無償貸与されてきました。
今回は貸与先の医療機関で好評を得ていることを踏まえて、ディーラーに来店する顧客に少しでも安全で、安心できる環境をつくるため、全国の販売会社に順次展開するものです。
この「ULTRABUSTER」は、室内の空気を強力に吸い込み、筐体内に格納された6本の紫外線ランプの照射により除菌する装置。専門機関による試験では、室内(25㎥)の浮遊ウイルスを約11分で90%低減、約21分で99%低減できる効果が確認できているそうです。
こうした空気清浄機などのアイテムは他でもニーズがありそうですが、現在のところ市販化などはアナウンスされていません。
(塚田 勝弘)