新型トヨタMIRAIの気になる航続距離、スタッドレスタイヤを履いても東京〜大阪間を走破!

■電動化車両らしいスムーズで力強い加速と圧倒的な静粛性が魅力

FCV(燃料電池車)の新型トヨタMIRAIには新FCシステムが採用されています。フロントフードにFCスタックを備え、水素タンクを3本搭載しています。

トヨタ ミライ
街中をスムーズに走る新型MIRAI

1本目は前席下付近に縦向き(トンネル内)に、2本目は後席下に横向きに、3本目は後輪後方、トランク下に横向きに配置されています。これにより、前後重量配分を「50:50」にして、FR化により高い回頭性のよさを実現しているのがポイント。

多様なコーナーが連続する首都高速でも意のままのハンドリングが得られるのはもちろん、高級セダンにふさわしい落ち着きも同時に感じられます。

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新型MIRAIの走行シーン

ピーキーな動きとは無縁で、操縦安定性は高く、高速域の直進安定性も兼ね備えています。134(182)PS/6940rpm、300Nm(30.6kgm)/0-3267rpmというモーターのスペックが示すとおり、電動化車両らしく、アクセルを踏んだ瞬間から出だしが鋭く、スムーズに速度を乗せていきます。

それでいながら静粛性もかなり高く、とくにフロントシートは感動モノの静かさ。遮音、吸音共にかなり効いていて、街中での低速域では車両接近通報装置の音が聞こえるものの、音楽やラジオをかけているとほとんど気にならないはず。

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取材時のメーター表示。高速主体の平均燃費は、90km/kgだった

一方、後席は前席と比べると若干ロードノイズが伝わってくるものの、街中はもちろん高速道路でもあっても静かで、前後席で静かに会話が楽しめるレベルです。なお、路面のアンジュレーションがキツイなど、状況によってはピッチング、コーナーでは若干ロールも感じられますが、総合的にはフラットライドといえる乗り味になっています。

気になるのは航続距離でしょう。新型MIRAIは、WLTCモードで19インチタイヤ装着車は約850km、20インチ車は約750kmという航続距離になっています。今回の試乗で水素を充填した直後のメーター表示は約445kmでした。メーター表示の燃費は状況により異なりますが、撮影での低速移動を含めて、表示は悪い時で80km/kg弱、いい時で90km/kg近くでしたので、90km/kg走れば実走行は505kmほどになります。

なお、ガソリンエンジン車などと同様に「潜っている水素」があり、表示が0になっても少なくとも40~50kmは走行できるとのこと。なお、19インチと20インチの航続距離の差は、主にタイヤの転がり抵抗(19インチは、燃費や転がり抵抗を重視)と重量差などで、20インチは操縦安定性など走りを重視した結果だそう。

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燃費履歴とエネルギーモニター

トヨタの開発陣は純正装着タイヤよりも転がり抵抗の大きなスタッドレスタイヤを装着し、エアコンを使いながら3人乗車で、特にエコランをせず、アダプティブクルーズコントロールを使って大阪~東京間の500kmを一度も充填せずに走行できたそうです。

500kmを走った時点で残距離は80km程度だったそうです。ロングツアラーとしても必要十分な航続距離を備えています。普通のクルマとして多くの人に買ってもらいたい、という狙いが込められた新型MIRAI。

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トヨタMIRAIの充填風景

ワンデードライブはもちろん、水素ステーションを把握しておけば数泊のドライブも(水素切れにドキドキせずに)十分に楽しめそうです。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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