■1.3Lターボとは思えない常用域からの力強さ
全長4075×全幅1725×全高1470mmというボディサイズが与えられた新型ルノー ルーテシア。先代は全長4095×全幅1750×全高1445mmでしたので、全長が20mm短くなり、全幅も25mm狭くなっています。
全高は25mm高くなったことで、居住性、積載性への影響も抑制されているのか気になるところです。
年々サイズアップしていくBセグメント(Bセグメントに限りませんが)の先鞭をつけたといえるのが先代ルーテシアといえますから、こうしたサイズダウンは、狭い場所での取り回しや駐車のしやすさが重要なポイントである同セグメントでは朗報といえそうです。
搭載されるパワートレーンは1.3Lの直列4気筒ターボで、131PS/5000rpm・240Nm/1600rpmというスペック。トランスミッションは7速デュアルクラッチトランスミッションの「7EDC」が組み合わされています。
街中、高速道路の合流、追い越し時まで驚かされるのは、その力強さ。最大トルクは1600rpmで発生するため、常用域では排気量を感じさせない速さを堪能できます。
そこからさらに高速道路で法定速度まで加速するシーンでも速い!!と実感できるパンチ力を備え、湿式のデュアルクラッチトランスミッションは、ダイレクト感のあるシフトフィールでエンジンの力強さを気持ちよく引き出してくれます。
シフトダウンもシフトアップも状況に応じてスムーズに変速するのはもちろんですが、トランスミッションの存在を適度に感じさせるダイレクト感が美点。極低速域でも扱いにくさはあまり感じさせませんが、少し不用意にアクセルペダルを踏むと「ガツン」とつながるシーンもあり、少し慣れが必要かもしれません。
一方で乗り心地は少し引き締まっている印象で、運転席に座っていると特に前輪からの揺れが伝わってきます。街中はもちろん、高速道路で80km/hくらいで巡航している間も微振動が少し気になります。
そこからさらに速度を乗せるとフラットライド感が出てくるものの、全体的な印象としては硬さがあるというもの。
高速域での美点は、直進安定性の高さとスタビリティの高さ。街中で交差点ひとつ曲がるだけでも軽快なフットワークを披露してくれますし、首都高速のコーナーでもストレスなくノーズが向きを変え、揺り戻しも抑えられています。
個人的には、これでもう少しソフトな乗り味があれば言うことなし!! といえる新型ルノー ルーテシア。街中中心の使い方はもちろん、アダプティブクルーズコントロール、車線中央維持(介入は最小限)などの最新のドライバー支援システムも備わりますから、ロングドライブでも頼もしい相棒になってくれそうです。
(文:塚田 勝弘/写真:小林 和久)