●今シーズン初のポールポジションスタートでレース後に涙
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権が開催された大分県はオートポリス。快晴となった15日の日曜朝、名取鉄平選手の姿を探しに筆者も早朝からサーキット入りしました。
前日行われた予選で今季初ポールポジションを獲得した名取選手。8時コースインとなるその決勝レースに向け、普段より若干の緊張感と一層内なる闘志を秘めながらも落ち着いた様子が印象的でした。
そして今シーズン初優勝に向け路面コンディションを確かめつつ、しっかりとタイヤを温めスタートダッシュを狙います。
定刻通り8:25にフォーメーションラップから14周の決勝レース2がスタート! スタートをしっかり決めたいと話していた名取選手はまずまずのスタートでしたが、ここはやはりスタートを狙っていたライバルに抜群のスタートを決められてしまい、ポジションを1つ落としてしまいます。
ここから反撃を狙う名取選手でしたが、直後に迫ったライバルとのポジション争いの間に徐々にトップのマシンとの差は広がってしまい、そのまま2位でチェッカーを受けました。
今季初の2位表彰台とはなりましたが、レース後の名取選手に笑顔はなく、迎えてくれたチームスタッフと顔を合わせると我慢していた感情を抑えることはできませんでした。
このレース2の結果について名取選手は「ポールポジションからのスタートでここは絶対に決めなければならない状況で、決めきる事ができなかったのが今回の敗因だと思っています。肝心なところで決めきれなかった事が、去年戦っていたヨーロッパの舞台を離れる事になった理由の一つだと思うので、それが今回も出てしまったことが情けなく、悔しいです」とその心の内を話してくれました。
●シリーズランキング3位に浮上
ランチブレイクを挟んで13:05からは今大会最後となる決勝レース3が行われました。前日行われた決勝レース1の順位がグリッドに反映されるため、3番グリッドからのスタートとなった名取選手。レース2での悔しさをバネに更に上のポジションを狙います。
レース2と同じく14周で争われる決勝がスタートすると、シリーズランキング3位のライバルが最後尾から猛追をみせ、3周目には4番手にジャンプアップ。
11月とは思えない陽気となったコンディションに苦しむ名取選手とのギャップを徐々に詰め、終盤10周目にはそのギャップを1秒以内にまで迫ってきます。
しかしここは名取選手も意地を見せしっかりと3位でチェッカーを受け、オートポリス大会では全戦表彰台を獲得する活躍を見せてくれました。
この結果を受けてシリーズランキングでも同ポイントながら最高獲得順位によって3位に浮上してきた名取選手。
残すところ今シーズンは鈴鹿と富士の2大会6レースを残すのみとなりました。最終戦までアツい走りで魅せてくれる名取選手の今後の活躍に期待しましょう!
(H@ty)
【関連記事】
スーパーフォーミュラ・ライツで椎名鉄平選手がポールポジション&表彰台獲得!【全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権】
https://clicccar.com/2020/11/15/1034534/