■ポールポジションからのスタート
2020年11月1日に岡山国際サーキットでピレリスーパー耐久シリーズ2020 第3戦 「スーパー耐久レースin岡山」のGr.1決勝レースが3時間というレース時間で行われました。
FIA-GT3マシンで競われるST-Xクラスはスーパー耐久で最も速いクラスで、総合優勝もオーバーオールのポールポジションもこのST-Xクラスとなります。そのST-Xクラスのポールポジションは777号車 D’station Vantage GT3。フォーメーションラップでもセーフティーカーのすぐ後ろでスタートを待ち構えています。
そして迎えたスタート。この時好スタートを切ったのは16号車 Porsche 911 GT3R。D’station Vantage GT3はズルズルと後退を余儀なくされ、5周目には予選4番手だった888号車 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3にも追い抜かれ3番手の座も譲ってしまうことになります。
しかしその3番手となったHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3がD’station Vantage GT3を追い抜いて間もなくの6周目ヘアピンで大クラッシュ。
このクラッシュの処理のためにセーフティーカーの導入となります。なお、HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3をドライブしていた高木真一選手は、生命に別条はないものの腰と右手首を骨折し、翌週に開催されたSUPER GT第7戦もてぎでは、チャンピオンを狙える位置にいながらも代役の松下信治選手にその座を託して欠場を余儀なくされました。
●今季初完走はPole to WIN!
セーフティーカー解除後はトップと2番手の距離が縮まったこともあってPorsche 911 GT3R とD’station Vantage GT3はトップ争いのバトルの様相を呈していましたが、その後D’station Vantage GT3は徐々に引き離されていきます。しかし順位は2位をキープしながら1回目のピットイン。
ピットタイミングでPorsche 911 GT3Rを抜き、40周目の最終コーナーで31 DENSO LEXUS RC F GT3を抜いてトップに立ちます。
レース終盤、Porsche 911 GT3Rがリタイアとなると2番手となったDAISHIN GT3 GT-Rとの間には42秒以上という大量リードが生まれ、レース中盤からトップをキープした危なげない優勝としてチェッカーをくぐっていきました。
開幕戦の富士24時間、第2戦のSUGO3時間の両方をリタイアとしたD’station Vantage GT3にとっては今季初完走が優勝、それもポール to WINとといううれしい結果となりました。
またST-Zクラスに出場したD’station Vantage GT4は2位で表彰台を獲得し、2台揃って表彰台に登壇するという快挙も成し遂げています。
前半戦がこの岡山戦で終了し、3時間レースというショートフォーマットもこの岡山戦が今季最後となります。
次戦のもてぎ以降はすべて5時間レースとなり、最もスーパー耐久らしいレース展開が繰り広げられていくこととなるでしょう。
次戦の第4戦もてぎ5時間レースは11月21日〜22日にツインリンクもてぎで開催となります。
これまでの2戦と違って、5時間レースフォーマットでは全クラスが同じ5時間を走ることとなります。
(写真・文:松永 和浩)