新型アストンマーティン「ヴァンテージ」は2,690万円から。FR最高峰のスポーツカーの称号に相応しいモデル

■スーパーカーOne-77からインスピレーションを受けたボリューム感溢れるボディが魅力

2024年2月13日、英国のスポーツカーブランドであるアストンマーティン・ジャパンは前日、英国で発表されたばかりの新型ヴァンテージを日本で初公開しました。

新型ヴァンテージとグレッグ・アダムス氏のツーショット
新型ヴァンテージとグレッグ・アダムス氏のツーショット

新型アストンマーティン ヴァンテージのデリバリーは、2024年第2四半期以降からで、車両本体価格は2,690万円からとなっています。

ベイビーアストンと呼ばれるヴァンテージは、GTレース参戦車のベースであり、アストンマーティンのスポーツカーの真髄ともいえるモデルです。

新型ヴァンテージのフロントスタイル
新型ヴァンテージのフロントスタイル

今回発表された新型ヴァンテージは、最高の高揚とドライバーエンゲージメントをもたらすようにチューニングされたシャシーとパワートレインを採用しているのが特徴です。

新型ヴァンテージのシャシーは、高度に進化した最新世代の接着アルミニウム構造を中心に構築され、50:50の前後重量配分、そして最先端のサスペンションシステムが高次元の走行性能を支えています。

新型ヴァンテージのリアスタイル
新型ヴァンテージのリアスタイル

従来のシャシーに全体的なねじれ剛性を向上させるため、アンダーボディ強化コンポーネントを追加しました。フロントにはサスペンションタワー間のねじれ剛性と横剛性を向上させるために、フロントエンジン・クロス・ブレースを装着。

従来モデルより30mm拡大されワイド化されたボディ
従来モデルより30mm拡大されワイド化されたボディ

一方リアは、サスペンションタワーの横剛性を強化したことにより、コーナリング負荷時の剛性が29%向上。また、横剛性を向上させるためのフロント&リアのアンダートレイの変更と同時に、ダンパーのフロント&リアの取り付け剛性を改善することにより、全体的な質感を高めています。

最高出力665psを発生する4L V8ツインターボエンジン
最高出力665psを発生する4L V8ツインターボエンジン

新型ヴァンテージに搭載しているエンジンは、大幅な改良を受けた4L V型8気筒ツインターボです。

手作業で組み立てられる4L V8ツインターボエンジンは、カムプロファイルの変更、圧縮比の最適化、ターボの大径化、冷却の強化など、広範囲に及ぶチューニングを実施。その結果、最高出力は従来モデルより+155psの665ps。最大トルクは+115Nmの800Nmを発生します。

新型ヴァンテージのインテリア
新型ヴァンテージのインテリア

最終減速比を上げた8速ATと組み合わされ、最高速度は325km/h。0-100km/h加速は約3.5秒というハイパフォーマンスを実現。さらに、新型ローンチコントロールシステムの導入により、発進時のホイールスピンを抑えてくれ完璧な発進加速を可能としています。

エンジンの高性能化により増大した熱負荷に対して、低温ラジエターがインタークーラーの冷却水回路に追加されています。また、中央のメインラジエターに補助クーラーを2機追加することで、熱容量の更なる増加を図っています。

新型ヴァンテージのセンターコンソールにはスイッチが並ぶ
新型ヴァンテージのセンターコンソールにはスイッチが並ぶ

最高出力665ps、最大トルク800Nmのハイパワーを確実に路面に伝達するため、新型ヴァンテージは、専用開発の「AML」コードが付いたミシュラン・パイロットスポーツS5タイヤを採用。サイズはフロントが275/35R21、リアは325/30R21で、ステアリングレスポンスとフロントエンドグリップが向上しています。

新型ヴァンテージの外観デザインは、スーパーカーのOne-77からインスピレーションを得ているのが特徴です。従来モデルより全幅は30mm拡大され、全幅(ミラーを含む)は2,124mmという逞しさが強調されたワイドスタンスとなりました。またフロントグリルは、形状が変更され、横線グリル開口部が38%広がり、必要なエアフローは、冷却システムの追加により29%増加しています。

ヘッドライトには、アストンマーティンの新しいライトシグネチャーを特徴とするデイライト一体のまったく新しいマトリックスLEDヘッドライトを採用しています。

ボディサイドに設置されるサイドストレークは、ベントにシャープに収束する形状となっています。標準装着される21インチアルミホイールは拡大されたホイールアーチに完璧に納まり、パワーと安定感を同時に選出する機能性あふれるスタンスを演出しています。

そして、ヴァンテージでは初となるフレームレス・ドアミラーと存在感のあるドアハンドルも採用され、高い空力性能を発揮します。

本質的にはハードコアなスポーツカーのヴァンテージですが、デザイン、快適性、装備レベルの面で妥協しておらず、最先端のコネクテッドテクノロジーやBowers&Wilkins社のサラウンド・サウンド・システムを標準装備し、最上級のラグジュアリーに仕立てられています。

真のドライバーのために設計されたという新型ヴァンテージは、数少なくなったFRスポーツカーの最高峰モデルと言えるでしょう。

(文・写真:萩原 文博)

この記事の著者

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萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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