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■新機能「プッシュトゥパス」で最大70kWのブーストを10秒間使用可能
ポルシェのバッテリーEV(BEV)であるタイカン、タイカンクロスツーリスモがビッグマイナーチェンジを受け、2024年2月7日から予約受注を開始しました。なお、タイカンの累計生産台数は約15万台に達しています。
数多くの改良を施した新型タイカンおよび新型タイカンクロスツーリスモの予約受注を本日2月7日(水)より、日本全国のポルシェ正規販売店にて開始します。
ポルシェ初のBEVスポーツカーであり、ラージサイズに区分できるタイカン。大幅改良のため、開発陣とテストドライバーは世界中を360万km以上走破したそうです。
タイカンのモデル責任者であるケビン・ギーク氏は、「卓越したドライビングダイナミクスとドライビングプレジャーを備えたモデルラインは、性能の面で新たな高みに到達しました。同時に、効率性や航続距離、日常の使いやすさ、快適性を大幅に進化させることができました」と手応えを語っています。
具体的には、ポルシェらしく全グレードが先代よりも加速性能が向上。タイカン ターボの場合、0-100km/h加速を4.8秒(ターボSは2.4秒)で到達し、先代から0.6秒(ターボSは0.4秒)短縮されています。
また「スポーツクロノパッケージ」の新しい「プッシュトゥパス」機能を使用する際は、ボタンに触れるだけで、グレードに応じて最大70kWのブーストを10秒間使用ができます。
加速の向上は主にシステム出力の増加によるものです。たとえば、ベーシックモデルのタイカンの出力は従来よりも60kW向上し、タイカンターボSでは、さらに140kWのローンチコントロールも追加されます。トップグレードのシステム出力は700kW/952PSに到達しています。
●航続距離は先代から35%以上向上
同時に、先代より航続距離も35%以上の向上が果たされています。ボディタイプとエンジンに応じて、航続距離は175km(35%)延長され、最大678km(WLTP)を実現。
アップグレードされたタイカンは、先代よりもロングドライブ時の充電回数が少なくなっただけでなく、充電速度の向上も果たされています。パフォーマンスバッテリープラスの総容量も93kWhから105kWまで増えています。
性能と効率の両立には、先代の出力を最大80kW上回る新しいリヤアクスルモーターを備えた、先進的なパワートレインをはじめ、ソフトウェアが最適化された改良型パルスインバーターや強力なバッテリーなどが挙げられます。さらに、サーマルマネジメントの改良、次世代ヒートポンプ、改良型回生および4WDシステムなど、全方位での進化により実現。
なお、高速からの減速時の最大回生性能は、290kWから400kWへと30%以上向上。すべてのバージョンに空力的に最適化された新しい21インチホイールと、転がり抵抗が低減されたタイヤを専用開発、標準装備されます。
足まわりでは、アダプティブエアサスペンションの標準化がトピックス。新しい「ポルシェアクティブライドサスペンション」は、4WD車のオプションとして選択できます。同システムは、快適性とドライビングダイナミクスをより高めるのに寄与するそうです。
サスペンションは、ダイナミックなブレーキング、ステアリング、加速操作中でもボディを常に水平に維持。滑らかな乗り心地で、段差をほぼ完全に吸収します。運転状況により「ポルシェアクティブライドサスペンション」がホイールの荷重をバランスよく配分することで、路面の高い接地性が得られるそう。サスペンションがピッチとロールを補正し、乗員の揺れを低減させます。
走りと電費に寄与する軽量化は、最大15kgの減量に成功。同時に、標準装備もさらに充実されています。アンビエント照明、フロントシートヒーター、「ポルシェインテリジェントレンジマネージャー(PIRM)」、ワイヤレス充電式スマートフォントレー、前席両側の充電ポート、ドライブモードスイッチ、「パワーステアリングプラス」を標準化。さらに、日本向けでは「タイカン4S」に「パフォーマンスバッテリープラス」が標準で搭載されます。
タイカンのベーシックグレードにも、アダプティブエアサスペンションとアルミニウム製ドアエントリーガードを標準装備。装備のアップグレードに加えて、製品仕様の向上には、容量を増やしながら軽量化されたバッテリーが含まれます。
●内外装を刷新し、ユーザーインターフェースも進化
デザインも刷新されています。新型ヘッドライトによるフロントマスク、同じく新しくなったリヤコンビランプが印象的なリヤビューにより、タイカンのスムーズなデザインをさらにブラッシュアップ。新しいフロントフェンダーとフラットなヘッドライトがタイカンのワイド感をさらに強調しています。
精巧な光学を使用した高解像度HDマトリックステクノロジーの新しいヘッドライトは、夜間にポルシェ特有の4灯のグラフィックで照らします。リヤライトストリップのポルシェロゴは、立体的なガラスルックの意匠が採用され、初めて装備されたイルミネーテッド仕様は、乗車時、発進時のアニメーションが特徴。
また、ターボとターボSは、内外装の両方で、アクセントカラーのターボナイトにより他グレードとの違いが強調されています。
さらに、メーターパネルやセンターディスプレイ、オプションの助手席側ディスプレイには、機能が追加され最適化されたユーザーインターフェースが備わっています。ステアリングホイールのモードスイッチが標準になり、「スポーツクロノパッケージ」と「パフォーマンスバッテリープラス」が装備された仕様には、モードスイッチに専用プッシュトゥパスボタンが用意されます。
加えて操作性では、ステアリングホイールの左側後方にある新しいコントロールレバーを使うと、ドライバーアシスタンスシステムをより直感的に操作することが可能。「Apple CarPlay」が車両のディスプレイと機能に完全に統合されました。新しい車載ビデオ機能により、センターディスプレイと助手席側ディスプレイでのビデオストリーミングも可能です。
なお、ポルシェジャパンでは独自の急速充電インフラとしてCHAdeMO規格では、日本の法規で最速となる150kWの「ポルシェ ターボチャージングステーション」が全国正規販売店にて54基稼働中です。
都市部でも主に東京、名古屋、大阪に10拠点18基が設置されています。またアウディ、フォルクスワーゲンとともに展開する「プレミアム チャージング アライアンス」により、各ブランドの正規販売店に設置されている急速充電器も利用できます。
さらに、普通充電器(8kW)の「ポルシェデスティネーションチャージングステーション」は、ホテルや温泉施設、レストラン、ゴルフ場などのレジャー施設など長時間滞在に適したロケーションにて110拠点225基を運用しています。
(塚田 勝弘)