マツダ2代目「プレマシー」デビュー。スタイリッシュに変貌して初代より約15万円高い174.3万~252万円【今日は何の日?2月7日】

■3ナンバー化し、コンパクトミニバンから脱皮

2005年にデビューした2代目「プレマシー」
2005年にデビューした2代目「プレマシー」

2005(平成17)年2月7日、マツダのミニバン「プレマシー」がフルモデルチェンジして2代目に移行しました。

マツダのミニバン3兄弟の中では最もコンパクトなプレマシーでしたが、2代目は3ナンバーとなりスタイリッシュな中型ミニバンに変貌したのです。


●扱いやすさと広い室内空間を両立した初代プレマシー

1999年に発売された初代プレマシーは、ファミリアをベースにした5ナンバーサイズのコンパクトなミニバン。当時ブームとなっていた、セダンのような取り回しの良さと広い室内空間の両立を狙った乗用車ライクなミニバンでした。

1999年にデビューした初代「プレマシー」
1999年にデビューした初代「プレマシー」

コンパクトなボディに3列シートを備えるために、低いフロアを利用した独自のパッケージングを開発。3列シートは、未使用時には折り畳んで荷室を拡大でき、シートアレンジの工夫によって車中泊も可能でした。

パワートレインは、最高出力135PSを発揮する1.8L直4 DOHCと電子制御4速ATの組み合わせ、駆動方式はFFと4WDを設定。車両価格159.8万~222.8万円で販売され、ミニバンブームの中で地味ではありましたが、使いやすさと広い室内空間で堅調な販売を記録しました。

●3ナンバー化してスタイリッシュに変貌した2代目

2005年にモデルチェンジした2代目プレマシーは、“コミュニケーティブ&ダイナミック”をコンセプトに、初代より全幅を広げた3ナンバーボディとなり、さらにスタイリッシュに変貌しました。

2代目「プレマシー」のシートレイアウト
2代目「プレマシー」のシートレイアウト

ボディが大きくなることで、3列シートもそれまでの折り畳み式のものからきちんと座れる3列シートになり、後席ドアはヒンジ式から両側スライドドアに変更、乗降性や使い勝手が向上したことも特徴です。

また、ボディの大型化に合わせて、搭載エンジンも最高出力145PSの2.0Lと165PSの2.3L直4 DOHCへと排気量を増大させてパワーアップ、より高いレベルで室内空間と走行性能の両立を実現。車両価格は、174.3万~252万円と、初代よりも15万円程度高額でした。

●プレマシーは、MPV、ビアンテとともに生産を終え、マツダはミニバンから撤退

1999年にデビューした2代目MPV
1999年にデビューした2代目MPV

その後2010年に登場した3代目で更に進化を続けましたが、ミニバンは人気の激戦区、堅調に売れていたプレマシーも2010年以降は伸び悩み、2017年12月で生産を終え、3代続いたプレマシーは歴史の幕を下ろしました。

2008年にデビューした「ビアンテ」
2008年にデビューした「ビアンテ」

ミニバンブームの中、マツダはプレマシー以外にも「MPV」と「ビアンテ」を投入。1990年にデビューしたMPVは、8人乗車でも余裕の乗員と荷室を確保したラグジュアリー志向のファミリーカー。2008年にデビューした「ビアンテ」は、プレマシーと同じプラットフォームながら、使い勝手の良い棲み分けでした。

激戦区ミニバンでマツダのミニバンは善戦したものの、大きな存在感は示すことができませんでした。結局、MPVは2016年、プレマシーとビアンテは2018年に生産を終了。そして、マツダはミニバン市場から撤退し、SUVへ集中することを英断したのです。


現在、トヨタ、日産自動車、ホンダの3強が人気のミニバン市場を席巻しており、マツダやスバル、三菱自動車といった中堅メーカーは、対抗できずにミニバンから撤退しました。“選択と集中”のためには、中堅メーカーが日本特有のミニバンブームより、世界的なSUVブームを選択するのは必然と思われます。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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