英国の名門自動車・航空機メーカーのロールス・ロイス社が経営破綻【今日は何の日?2月4日】

■航空機事業の不振で経営破綻し国有化されたロールス・ロイス社

チャールズ・スチュアート・ロールズとフレデリック・ヘンリー・ロイス (C)Creative ommons
チャールズ・スチュワート・ロールズとフレデリック・ヘンリー・ロイス (C)Creative commons

1971(昭和46)年2月4日、1906年に創業して最高級車を製造、大戦中には航空機用エンジンを開発して、世界中にその名を馳せたロールス・ロイス社が経営破綻しました。

ジェットエンジン開発の失敗によって財政が圧迫したためであり、ロールス・ロイス社は英国の管理下におかれることになったのです。


●最高級車の代名詞であるロールス・ロイスが創業

英国のロールス・ロイス社は、1906年に優秀なビジネスマンであるチャールス・スチュワート・ロールズと天才的なエンジニアであり、レースドライバーでもあったフレデリック・ヘンリー・ロイスの二人によって創業されました。ロールズは、欧州車の輸入代理店を開業し、一方のロイスは電気部品製造会社を立ち上げていました。

ロイスは、英国に自動車メーカーを作りたいという熱い思いから、ガソリン車の開発に着手。ロイスが作った試作車を運転したのがロールズであり、二人は意気投合してロールス・ロイス社を立ち上げることになったのです。

最高級車として絶賛された1907年式「シルヴァーゴースト」(C)Creative Commons
最高級車として絶賛された1907年式「シルヴァーゴースト」(C)Creative Commons

最初に発表された「シルバーゴースト」は、世界最高の車と称賛され、さらにレースにも積極的に参戦し、マン島TTレースの優勝などによってロールス・ロイスの名は世界に轟きます。また、1931年にはベントレーを譲り受け、これ以降ベントレーの車はロールス・ロイスのハイパフォーマンスモデルとして存続することになりました。

一方で第一次世界大戦が始まると、ロールス・ロイスは英国軍から航空機用エンジンの開発を任され、自動車用エンジンをベースにした航空機用エンジンを製造。第二次世界大戦中は、航空機用エンジン開発に注力し、数々の名機のエンジンを手掛けました。

●経営破綻で自動車部門と航空機部門が分離して国営化

ロールス・ロイスは、第二次世界大戦後に高級車「シルバーレイス」や「シルバードーン」を発売して人気を獲得。さらに、英国王室や日本で昭和天皇の御料車として活躍した「ファントムIV」などを発売し、世界中の誰もが認める憧れの最上級ブランドに成長したのです。

しかし、ジェットエンジン開発の失敗によって財政が圧迫し、1971年には経営破綻。ロールス・ロイスはイギリスの公的管理下におかれることになってしまいました。

自動車部門は、1973年に新たに民間の重工業製品メーカーのヴィッカーズが「ロールス・ロイス・モーターズ」として所有。一方、ジェットエンジンを含む工業部門は「ロールス・ロイス・ホールディングス」として再出発。今でも、空港などで間近から飛行機を見ると、ロールス・ロイスのロゴを冠したエンジンを確認することができます。

●その後も紆余曲折があるも、世界最高級車としてのブランドは不変

その後、ロールス・ロイスは1992年にBMWと提携し、ロールス・ロイスの車にはBMW製エンジンが搭載されました。

1998年には、フォルクスワーゲンがロールス・ロイスを買収。しかし、2003年にフォルクスワーゲンとBMW間の契約により、ベントレーはフォルクスワーゲンが所有し、ロールス・ロイスはBMWが製造・販売することに。BMWは、このとき社名を「ロールス・ロイス・モーターカーズ」として英国に新会社を設立しました。

現在も往年の車名の復活や新型車を開発し、ロールス・ロイスのブランドを守り続けています。


BMWの傘下になっても、ロールス・ロイスの妥協なき車造りは健在です。ロールス・ロイスのオーナーになれるのは一部の人に限られ、乗れるチャンスもなかなかありませんが、誰もが憧れる車として今後もその地位は揺るがないでしょうね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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