■三菱「ミニキャブ EV」のOEM版
現在、唯一の軽商用EVとして販売されている三菱「ミニキャブ EV」のOEM版として、2024年1月20日、「日産クリッパーEV」が発表され、同年2月12日に発売されます。
運送部門の電動化も注目される中、個別配送の主役である軽商用バンの電動化も今後、進んでいく状況になりつつありますが、ダイハツの認証不正問題を受け、ダイハツ、トヨタ、スバル陣営の軽商用EVの2023年度内の発売は難しい状況になっています。また、ホンダの「N-VAN e:」は、2024年春のデビューが予告されています。
日産クリッパーEVは、2シーター、4シーターの2つのバリエーションを用意。2シーターには、スライドドアガラスとリヤクォ―ターガラスがパネル仕様になっているルートバンも設定されています。
ボディカラーは、全グレードに「ホワイトソリッド」が設定され、4シーターには「ホワイトソリッド」と「スターリングシルバー」の2色を用意。
インテリアでは、デジタル表示のスピードメーターが備わり、インジケーターのサイズを大きくすることで視認性が引き上げられています。センターコンソール部のスイッチ類もひと目でわかりやすいレイアウトにされ、操作性も向上。
「Type A」「Type C」の充電用USBポートもグレード別に設定。キーレスエントリーシステムについているプレ空調スターター機能を使うことで、急速充電中、もしくは普通充電中に、乗車前に車外から車内の空調機能をオンにすることができます(グレード別設定)。
「日産クリッパーEV」も床下中央に容量20kwhのバッテリーが搭載され、低重心化されることで、軽商用バン特有のゆすられ感や段差での大きな上下動が低減され、乗り心地のよさと、操縦安定性を実現しています。
航続距離は最大180km(WLTCモード)で、メーカーオプションの急速充電を使えば80%まで約42分で充電が可能です。普通充電では約7.5時間で満充電となるため、業務終了後などに家や職場で充電すれば、翌朝には満充電状態で使用できます。
荷室は、最大積載容量350kgが確保され、ホイールハウスの出っ張りや後席格納時の段差をなくすことで、荷物の出し入れのしやすさなど、軽商用バンのニーズを満たす設計になっています。
また、先進安全装備も搭載されていて、走行中の衝突回避を支援する衝突被害軽減ブレーキである「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」をはじめ、車線逸脱警報(LDW)、ハイビームアシスト、踏み間違い防止アシスト(前進のみ)などにより、いざという時の危険回避や傷害軽減がサポートされます。なお、全車「サポカーSワイド」の対象になります。
●価格
「ルートバン(2人乗り)」:286万5500円
「2シーター」:291万2800円
「4シーター」:292万500円
(塚田 勝弘)