■日本向けは6車種が対象
日野自動車のエンジン不正問題、ダイハツの認証不正に続き、2024年1月29日、トヨタから開発を委託されていた豊田自動織機による自動車用ディーゼルエンジン3機種の違反行為が明らかになりました。
違反行為の概要は、出力試験時に、量産用と異なるソフトを使ったECUを使ってエンジンの出力性能を測定し、測定する数値が安定するようにバラつきを抑えて報告していたというものです。
該当するエンジンが搭載された車両は、グローバルで10モデル(うち日本は6モデル)に達しています。なお、フォルクスワーゲンのディーゼルゲートでは、不正ソフトが使われ、排ガス不正が行われていました。
該当するエンジン、車両ついてトヨタは、工場で生産された量産品を改めて検証し、エンジン出力の規準を満たしていることを確認したそう。そのため、すぐに使用を停止する必要はないとしています。
豊田自動織機では、対象エンジンの出荷を一旦停止し、トヨタも該当エンジンが搭載された車両について出荷を一旦停止することを決定したとしています。今後、当局に丁寧に説明を行い、速やかに立会試験などの適切な対応を進めるとしています。
ユーザーとしては、今乗っている車をそのまま乗り続けていいのかが最も気になるはずで、今後リコールやサービスキャンペーンなどの対象になるのかも要注意です。ダイハツの認証不正事案の解決がまだ見通せない中、どういった対応をしていくのかも注視していく必要があります。
●エンジン/搭載車両/販売開始時期/車両仕向地
1GD/ランドクルーザープラド/2020年8月生産終了/日本、欧州、中東、アフリカ、アジア
1GD/ハイエース、グランエース、ボンゴブローニイバン(マツダ)/2017年12月/日本、欧州、中東、アジア
1GD/ダイナ、デュトロ(日野)/2021年5月/日本、アジア
1GD/ハイラックス/2020年5月/欧州、中東、アジア、アフリカ
1GD/フォーチュナー/2020年5月/欧州、中東、アジア
2GD/ハイラックス/2020年5月/日本
2GD/イノーバ/2020年7月/アジア
F33A/ランドクルーザー300/2021年8月/日本、欧州、中東、アジア、アフリカ
F33A/LX500d/2022年1月/日本、欧州、中東、アジア、アフリカ
(塚田 勝弘)